2023年4月24日月曜日

沖縄グルメⅡ 沖縄の旨いものって何?



 食も旅の楽しみのひとつ。

 せっかく沖縄に行くのだから、沖縄グルメを満喫したいですよね。では、何を食べましょうか?




 沖縄に行った人は、実際何を食べたのでしょうか。

 「沖縄グルメ」「沖縄で食べたいもの」「沖縄に行ったらこれだけは食べろ」、といった検索ワードで調べてみました。

 また、ガイド本などで紹介されている沖縄グルメも色々みてみました。


 その結果は、圧倒的な第1位は沖縄そばなのです。


 手持ちのガイド本を何冊かめくってみると、そばの写真と共に、

 「伝統の味」「そばといえばコレ」「地元で愛され続けた」「懐かしい味」「くせになるスープ」「出汁の風味が口いっぱいに広がる」と、まあ出るわ出るわ。

 さすがプロのコピーライターですね。

 自分も沖縄そばが好きで、当ブログにもしょっちゅう登場します。でも、沖縄そばって、絶対に食べるべきナンバーワン沖縄グルメでしょうかねぇ。




 まあ、とりあえずそれは措いて、もう少しみていきましょう。

 沖縄そばに続くのは、タコライス、ゴーヤチャンプル、、グルクンの唐揚げ、ラフテー、海ぶどう、ジューシー辺りで、大体は、沖縄料理と呼ばれるジャンルでした。


 そのほかには、ステーキというのも多かったですね。

 占領時代に広まった、アメリカ流のデカ肉の安いステーキショップが、今でも本島には点在するからでしょう。


 素材でいえば、石垣牛、アグー豚、海ぶどう、車エビなどが挙がりました。


 高級珍味では、イラブー汁、ヤシガニ、セミエビ、ガザミ等々。

 イラブーはウミヘビで、もの凄く手間をかけて汁にしたものをいただくのですが、薬膳としてはすぐれているものの、料理としては好みがハッキリ分かれます。

 ヤシガニは、雑食性なので、何を食べて育ったかによって味が大きく変わります。
 地域によっては、島人が普通に捕って食べていますが、高価な出費をしてまで食べることはあまりお勧めできません。

 セミエビは、30㎝くらいの平べったい大きなエビで、刺身などでいただきます。伊勢エビより旨いと言われることもありますが、確実に伊勢エビよりは高いです。

 ガザミ(ノコギリガザミ)は、マングローブ林に生息しているワタリガニの一種です。ワタリガニだと思うとかなりいいお値段ですが。


 余談ですが、初めて石垣島に行ったとき、美崎町の和食っぽい店に入り、ノリで頼んでしまったのがセミエビ。
 会計の時に、目の玉が飛び出ました。

 そのショックで、どんな味だったか記憶にありません。笑


 その反面、自分の思い入れと違って意外と扱いが小さいのは、マンゴーやらパイナップルといったトロピカルフルーツ。

 その他では、特定の店のスイーツを推奨しているガイド本も多くありました。




 さて、そうしたものの中で何を食べるべきでしょうか。

 一般に、旅行先で食べるべきご当地グルメといえば、

・ 地域の住民が好んで食べるため何処の店でもレベルが高くしかも安い
・ 素材の産地であり最高のものが手に入る
・ 鮮度の関係などで一番旨い状態で食べられる

といった視点で選ばれるのだと思います。下関のトラフグとか、うどん県の讃岐うどんみたいなイメージでしょうか。


 その点からいえば、沖縄で食べるべきは、何といってもマンゴーだと思います。

 マンゴーは、内地でも普通に手に入りますが、何しろ高い。
 しかも、落下ギリギリで収穫し、さらに数日間追熟したものが食べ頃なので、ドンピシャのタイミングのものを内地で探すのは難しいのです。

 その点、沖縄では、まさにJust in time on eatなマンゴーが手に入り易い。

 その上安いのです。宮古島・石垣島で買えば、見かけ今イチものなら、味は同じなのに、内地の高級フルーツ店の3分の1から4分の1なんて当たり前の世界です。


 パイナップルも、日本中何処でも食べられますが、追熟しないパイナップルは、生産地に近い所で食べるのが一番旨く、値段も安いのです。

 芯まで食べられるような完熟パインが、1コ300円だったら感激しませんか?




 それ以外にも何かあるでしょうかね。

 アグー豚は、一度食べてみるといいかも知れません。

 アグーは、沖縄在来種の黒豚で、絶滅の危機に瀕していたものを、交配種として復活させたもので、一説によれば、鹿児島県の黒豚のルーツだとか。

 肉質がよく甘味があるとされています。ただ、煮込んだり手の込んだ調理をすると、微妙な旨味はよく分からないでしょう。
 

 石垣牛・宮古牛はどうでしょうか。
 どちらも、一定の条件を満たした和牛のみが名乗れる一流品です。

 ただ、全国各地にブランド牛があるわけで、それと比べてどのような違いがあるのかはよく分かりません。
 そもそも、個体によって、部位によって、調理方法によってかなり違うはず。

 そう考えると、「石垣島・宮古島でも旨い牛肉が食べられる」ことはあるけれど、「石垣島・宮古島に行かないと旨い牛が食べられない」わけではなさそうです。


 以前は、石垣島で石垣牛が安く食べられる店がありました。焼き肉屋で1人前2千円のセットなのに、こんな高級な肉がドッチャリ♪ なんて思ったこともあったのです。

 この安さは、産地ならではと思いましたが、今、石垣牛を食べられる店は増えたものの、値段はほぼ全国標準です。


 高級珍味系は、値段が高く扱っている店も少ないのですが、そこまでして食べてみるかどうかは、各自で判断してくださいとしか書きようがありません。
 
 


 それ以外の沖縄グルメは、沖縄料理とほぼ重なります。

 しかし、グルメというテーマで語っているのに、タコライス、ゴーヤチャンプル、ジューシー辺りが登場することには、正直驚きます。
 

 ゴーヤチャンプルは、普通の野菜炒めにゴーヤが入っているだけ。ゴーヤには微かな苦みがあり、それがビールのつまみとしてはいいアクセントなりますが、早い話それだけです。
 
 タコライスは、タコスの具をご飯に載せたら意外と旨かったというもので、沖縄で発祥したものですが、どうしても沖縄で食べておきたい料理ではないでしょう。

 ジューシーに至っては、ただの炊き込みご飯です。


 あまり特別感がないのに、これらの料理が人気の上位に挙がって来るのは、何故なのでしょうか。

 「沖縄に行ったらタコライスは是非オススメ」「ジューシーは必ず食べておいた方がいいよ」なんて、自分はとても人に言えません。




 最期に沖縄そばに話を戻します。
 沖縄グルメとして、圧倒的な支持を得ていますが、これも不思議です。


 近年、宮古島を中心に、自家製麺を使用した、本格的なそば屋が少しずつ増えて来てはいますが、まだまだこれは例外です。
 大半の沖縄そばは、何処で食べてもそこそこ旨くて、まあまあ安いという点で、沖縄料理の代表格みたいな食べ物です。

 うどん県のうどんのように、2軒、3軒とはしごをして食べる島人がいるわけでもありません。


 それにも拘わらず、石垣島でも、宮古島でも、観光客が店の外まで並んでいる所がいくつもあり、思わず、「えっ!」「マジ?」「なんで!」と言いたくなります。

 これらの店は、たいてい古くからあって、島人が通う普通の食堂だったのが、味とは関係のない何かのきっかけでブレイクしてしまい、観光客が並ぶ店になったのです。


 皆さん、本当に自分の舌で味わって判断しているのでしょうか。

 誰も並んでいないアノ店と比べて、そんなに旨いですか? なんて皮肉の一つも言いたくなることがあります。




 せっかく旅行に行くのだから、多少高くても旨いもが食べたい、という人も多いと思いますが、沖縄には、そのニーズに応えられる食べ物があまりありません。

 20年以上沖縄に通っていますが、自信を持って人に勧められるものは、トロピカルフルーツくらいしか思い浮かびません。


 そうなると、沖縄では食の楽しみはあまりないと諦めなければならないでしょうか。

 いや、そういうわけでもないのです。その点は、次回に。





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