ネットで簡単に大量の情報が得られる時代ですが、ネット情報は、今更いうまでもなく玉石混交です。
しかし、ネット無しで旅の情報を得ることはほぼ不可能といってもいい昨今、宮古・八重山の旅情報に関して、どのようにネットと付き合っていけばいいのでしょうか。
人の創ったサイトをみてとやかく言うのも気が引けるのですが、具体的に書かないとイメージがわかないと思うので、一つ試してみました。
「宮古空港と下地島空港どっち」という検索ワードで検索すると、いくつもの記事がでてきます。
それらをザッと見ていくと、「下地島空港は(遠いから)対応しないレンタカー会社がある」とありました。これは有益な情報です。
レンタカーは、利用空港とセットで考える必要があります。
「下地島空港からは、航空機と連動している路線バスが利用できる」というのも有益な情報です。
レンタカーを使わない人にとっては、バス便に関しては宮古空港より下地島空港の方が楽です。
「お土産を買うには、宮古空港の方が店が充実している」という情報も役に立ちます。
一方、あるサイトには「宮古空港は観光スポットにアクセスしやすい」とありましたが、別のサイトには「宮古空港は市街地にアクセスしやすく、下地島空港は観光スポットにアクセスしやすい」とありました。
どっちなの?という以前に、これは大して重要な情報ではありません。両空港間は車で30分強の位置関係です。どちらでも大差ありません。
そもそも、市街地・観光地という括りは大雑把過ぎます。
「LCCを利用する人は下地島空港を、大手を利用する人は宮古空港を」という情報は意味がありません。
ジェットスターやスカイマークを利用する人は、必然的に下地島空港発着となり、JAL・ANAの人は宮古空港になります。空港を選べる訳ではありません。
あと書いて欲しかったのは、下地島空港利用だと、条件が整えば、着陸時に絶景の17ENDの海を眺めることができるという情報です。
条件とは、晴れていて、北風ではなくて、右側窓側席が取れていることです。
ということで、ネットには役に立つ情報が色々ありますが、一つの情報だけでなく、できるだけ多くの情報に当たること、そしてその中で、信頼できる情報源をみつけられるとラッキーです。
そうした中で、ちょっと問題のあるネット情報もあります。広告などの目的で、ウソ、大袈裟な内容や、いい話ばかりを書きデメリットを隠す内容のものです。
「冬の沖縄はメリットいっぱい」というのはその代表格です。冬場は旅行代金が安いなどのメリットもありますが、天気が悪いという強烈なデメリットがあります。
また、そもそも沖縄のこと、宮古・八重山のことをよく知らないで書いているものも少なくありません。
一例を挙げると、「沖縄は日差しが強いから日傘が必需品」といった情報です。
風が強く、屋外で遊ぶことの多い宮古・八重山では日傘はむしろ邪魔です。必要なのは帽子でしょう。
玉石混交の代表格ともいえるネット情報に、口コミというものがあります。
実際に利用した人の生の感想であって、まさにネット時代ならではの貴重な情報源なのですが、その分いい加減もの、悪意をもった口コミもあり、扱いが難しくなっています。
その仕組みに問題があるものもあります。
ある口コミでは、宿の部屋、風呂、朝食、夕食、清潔度、接客などを5段階で評価するシステムです。
某ゲストハウスは、素泊まり宿でありその分価格も安いのですが、サービスとして、朝パンとコーヒーを提供していました。
この宿は、旅館業法上調理した料理の提供はできない構造であり、宿としては善意のサービスなのですが、口コミでは朝食が5段階の1とか2と評価され、それが全体の評価も下げるため、怒ったオーナーは提供を止めてしまいました。
コスパが反映され難いという問題もあります。
「部屋は綺麗で広く、調度品もオシャレで、フロントの接客も大変良かった。」とあっても、1泊ン万円のホテルなら、それは当然でしょう。
口コミをどのように読んでいくかも難しいのですが、経験上言えるとすれば、次のようなことが挙げられます。
最高の評価と最低の評価は見なかったことにする
コメントが複数ある場合は、「部屋は綺麗で食事は美味しく宿の人は親切で絶対また泊まりたい。」、「部屋は変な臭いがし食事は冷たく要望も無視された。もう泊まることはない。」という両極端のコメントは、見なかったことにするのがいいと思います。
客観的な情報は有益な場合が多い
細かい話でも、客観的な事実を指摘したものは有益な情報であることが多いようです。
「朝食バイキングに郷土料理が色々あった」「チェックアウト後もシャワーを使わせてくれる」「駐車場が狭くて駐めるのに気を遣う」「エレベータが1基しかなく時間帯によってエレベータ待ちが発生する」といったものです。
客観性の乏しい情緒的な口コミは割り引いて
逆に、客観性の乏しい情報は、まったくウソではないにせよ、割り引いて考える必要があります。
「オーナーも従業員もみな明るく親切だった」「フロントが感じよく到着早々気分が上がった」「オーナーが常連とだけ親しげに話している」「掃除が行き届いておらず部屋も暗い感じがする」といったものです。
最近厄介なのが、ステマ広告、インフルエンサー広告です。
ブログ記事や旅行記のように見せかけておいて、読み進んでいくと特定のホテル・業者の広告だったりするものです。
当ブログで島旅ガイドを書きたくなったのは、あまりにも酷いステマ広告が次々と登場するからです。
「何処何処ホテルに泊まってこんなサービスがあって最高でした。」的な記事を読むと、ついそこに行ってみたくなりますが、それこそが狙いなので、クールに対応する必要があります。
読み進めている内に、特定の業者、商品等が登場した場合は、話半分、話3分の1と思ってちょうどいいくらいかも知れません。
当ブログでも、特定の宿やショップを紹介した記事が若干ありますが、自分の書いたものだけ信じてくださいという訳にもいかないので、当ブログの記事も、特定の宿等が登場するものは、情報ではなくネタだと思ってください。
なお、少しうんちくを語ると、ステルス(stealth)とは隠密の意味で、敵のレーダーから発見し難くする軍事技術のことです。
ステルスマーケティング(造語)、ステマ広告とは、要するに、広告であることを隠して、あたかも客観的な情報提供に見せかけた広告のことです。
インフルエンサーマーケティング(インフルエンサー広告)とは、インフルエンサーに広告記事を書いてもらうことで、ステマ広告に近いものが少なくありません。
本来インフルエンサー(influencer)とは、情報発信をビジネスとしていて、SNS等で世間に与える影響力が大きい人のことですが、そこまでではない人もインフルエンサーと呼ばれ、今やインフルエンサーのインフレーション状態です。
ネットの世界には、有益な情報が沢山あるので、問題はどうやってそれを探し出すかなのですが、これは、旅情報に拘わらずすべてのことに共通です。
将来的は、きちんと情報が整理されているかも知れませんが、当分は、溢れる情報を上手く使い分けるしかなさそうです。
そんな面倒なことやってられるか!と仰る人は、信頼できる情報提供者を探すしかないですね。
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