当ブログでは、「沖縄の天気予報は当たらない」という記事を書いて散々ネタにしてきましたが、沖縄の天気予報が外れたときの外れっぷりときたら本当に見事というほかありません。
天気予報がリアル天気にいじめられているみたいな。
島人も口を揃えて「沖縄の天気予報は当たらない」と言います。しかし、島人は天気予報を見ていないのかといえば、そうでもないのです。
どうも、島には島ならではの天気予報との付き合い方があるようです。
まず、宮古・八重山の天気の大雑把な傾向を見てみます。
石垣島の観測点における平年の値です(データは気象庁発表の2023年のもの)。
日照時間(月の合計)ですが、多い方では7月が261.0時間、8月が232.9時間、少ない方では1月が84.7時間、2月が89.3時間となっています。
雨量に関しては、9月が259.7㎜、8月が249.8㎜、2月が124.0㎜、3月が134.4㎜となっています。
夏の間は、ガンガン晴れてガンガン降る一方、冬場は逆に冴えない天気が続くというのが一般的な傾向だということが分かります。
次に気になる台風ですが、沖縄県に300㎞以内にまで接近した台風は、年7.8個(2011年~2023年の平均)でした .
300㎞以内に接近とは、航空機の運航に影響が出るレベルだと考えてください。ただ、沖縄県全体の数字なので、沖縄本島は、飛行機が止まったけれど、宮古・八重山は大丈夫だったというケースも含みます(もちろん反対のケースもです。)。
月別では、7.8.9月が多いということになります。
(気象庁HP)
結局、台風も含めて、沖縄の夏は攻めの天気、陽性の天気である一方、冬場は大人しく陰性の天候ということになるでしょう。
極論すると、夏じゃなければ晴れないのに、夏は台風のリスクがある。沖縄とはそういう場所なのです。
特に、離島である宮古・八重山では、晴れないとすることがなくなるので、この特性は更に強まります。
そうしたことを前提に、沖縄流天気予報の見方、付き合い方を考えたいと思います。
予報も実際の天気も目まぐるしく変わる
沖縄では、短時間で目まぐるしく天気が変わります。離島である、宮古・八重山では、沖縄本島地方よりもこの傾向が顕著です。
また、ほんの僅か場所が違っても、天気が変わることがあります。あの小さな竹富島でさえも、場所によって降ったの降らないのいうことがあるくらいですから。
そうなると、当然天気予報も変わります。
下の画像を見てください。こんなこともあったのです。こうなると、小さな雨雲が次々とかかり、陸地では降ったり止んだりの繰り返しのはず。
(気象庁HP)
台風の進路予想と週間天気予報は連動しない
あるとき気が付いたのですが、台風が沖縄に接近していて、進路予想からして暴風雨は避けられないと思っても、週間天気予報は暴風雨マークになっておらず、「曇のち雨」みたいなノンビリした予報になっていることが多いのです。
実際に、天気予報に暴風雨マークが付くのは1~2日前だったりするのです。
これは、台風部門と天気予報部門が縦割りで連携していないからだとも考えられなくはないですが、それより台風の進路予想の精度が低いからなのかも知れません。
NHKと民放で天気予報が違うことが良くある
NHKは気象庁の予報を基にしていますが、民放では、民間会社の予報を基にしていることも多く、結果予報に違いが出ます。
朝、ホテルのテレビを点けると、画面隅に出てくる天気マークがNHKと民放とでは違うこともありますが、どちらを信じたらいいかというレベルではなく、どっちもありと思った方がいいようです。
沖縄の天気予報には「予報できない」という予報があるのでは
これは当ブログの大胆な仮説です。笑
① 沖縄の天気予報には「予報できない」という予報がある。
② 週間予報が「曇」「曇時々雨」の日は、何かが起こるサインかも知れない。
③ 天気の変わり目に、予報とのずれが生じやすい。
日照時間でみたとおり、夏の沖縄は基本晴れです。
そんな中で、敢えて「曇」や「曇時々雨」の予報を出すということは、素人には分からない何らかの気流の変化の予兆を掴んでいるからでしょう。
気象庁の週間天気予報は、信頼度がAからCまでに分けて表示されますが、「曇時々雨」で信頼度Cの場合、「本当はよく分からないけれど、予報を出さないわけにはいかないから、取り敢えず出しとくね。」という予報が含まれているのではないかと思うのです。
悪意のある言い方をすると、外れたときの影響が最も小さくなるような予報の出し方をしているのかも知れません。
当日になって、しれっ~と「晴」に変わることもあれば、突如として熱帯低気圧が発生していることもあります。
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(気象庁HP) |
雨雲の動きも参考にして
気象庁のサイトから 「雨雲の動き」のページを開いてください。今何処で雨が降っているのか、リアルに分かります。
また、過去の状況と併せて1時間後の予想も見ることができ、動画としても見ることができるので、雨雲がどの辺で涌き出してくるのか、どっち方向に流れれているのかが分かるので、微妙な天気の時は、天気予報を見るより役立ちます。
島の人は「風と雲をみる」という
以前、石垣島の海人(漁師)に話を聞いたとき、漁に出るときは風と雲をみると言っていました。
この時期にこの場所で北風が吹くと、沖の方では雨だ、みたいなことが経験則で分かるようです。
海人とか、農家の人とか、長年島に住んでいるおじい、おばあから話を聞くことができたなら、有益な情報が得られるかも知れません。
実際に空を見上げてみる。
自分でできることもあります。シンプルなことですが、朝起きて空を見上げることです。どんよりした曇り空でも、東西南北どちらかの方向に青空はありませんか。
晴れていても、どちらかに怪しげな黒雲はないですか。
当日朝の天気予報、レーダーによる雨雲の動きや風向き、もし聞けるなら島の人見立てなども併せて、今日はどちら方面に行くか、早く出発するか、ゆっくり出るかを決めるのです。
何故沖縄の天気予報は当たらないのか、それが解明できたら自分も気象予報士になれますが、結局のところ、局所的で、かつ、短時間で目まぐるしく天気が変わるので予報が追いつかないのではないかと思います。
理由は、海面に沿って吹いてきた風が、小さな島にぶつかることで、低い小さな雲を発生させるからだと聞いたことがあります。
だから、宮古島地方の天気予報が、晴時々曇りだったとしても、どこかで晴れてどこかで雲って、どこかで短時間のスコールがあると、宮古島全体では、予報が当たったとも外れたとも言えるのです。
事前の予報に一喜一憂するより、柔軟な発想でその場対応するような過ごし方がいいと思います。何しろ、7月の石垣島では、1日平均8時間以上晴れているのですから。
ただし、影響の大きい台風に関しては、情報収集を怠らないようにしてください。
経験上、出発前はずっと気にしていた台風情報も、向こうに行ってしまうと頭の中からすっ飛んでしまうのですが、行けなくなるより帰れなくなる方がヤバイと思うので、台風情報も1日1回くらいはチェックした方がよろしいかと。
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