竹富町の訪問税には最初から反対でしたが、竹富島の入島料については、当初は応援していました。
今それが疑心暗鬼に変わりつつあります。
喩えて言うなら、信じていた女が、知らない男と肩を並べて夜の街を歩いているところを見てしまった。そんな気分なのです。笑
8月にも同じテーマで書きましたが、昨年度の収支報告が出て、疑心暗鬼度がさらに高まります。
竹富島の入島料は、任意の寄附金です。島に行く人に1人300円の支払いを求めるもので、2019年から続いています。
竹富町観光協会によれば、「入島料は、島の自然・祭事・習慣・伝統工芸や町並みを未来へ残す環境保全活動に使われます。」とされています。
本来は、竹富町の事業ですが、島の財団に委託されています。
2025年度の入島料収入額は、9,161,700円(対前年比97%)で、入島者に占める支払者の割合は、僅か7.1%にすぎません。
支払者の割合は、2021度の13.7%をピークに、11.2%、9.7%、8.0%と年々下がっており、昨年度は、7.1%まで落ち込みました。
財団は、この状況を打開するため、前回記事でご紹介したターミナルでの「納入はお済みでしょうか」攻撃の一方、キャッシュレスの導入、入島料を払った人がガチャを廻せるなど、あめとむち作戦を展開しましたが、事態は好転しませんでした。
また、財団のアニュアルレポートの25年度取り組み経緯の中には、「入島料手売り販売実施」をトータルで数十日行った旨の記載があります。
おそらくは、来島者に対面で直接支払いの協力を求めたということでしょうが、この「手売り」という言葉も、義務を伴う場面で使われる「納入」と同様、任意の協力金にはそぐわない言葉です。
協力を「お願いする」ではなく、入島料券を「売る」という表現を、誰もおかしいと思わないのでしょうか。
さらに、リピーターにも楽しみながら協力してもらえるよう、返礼品をリニューアルするという趣旨のことも書かれています。
ガチャと相まって、「300円払うと何かもらえるよ」というインセンティブを付けたわけです。
必至になって金集めに奔走しているように見えますが、違う方向に進んでいると思いませんか。
(入島料導入直前の石垣港離島ターミナル:2019年8月)
アニュアルレポートから、2025年度の収支を拾ってみました。
公益事業収入は、
入島料収入が、9,161,700円
補助金寄附金等を加えた公益事業の総収入は、11,265,795円
でした。
一方の公益事業支出ですが、
事業費が、5,989,023円
管理費が、6,349,658円
です。
事業費対管理費の割合は、48.5%:51.5%であり、管理費が事業費を上回っています。
そうすると、入島料300円の内、本来の目的に使われているのは約145円に過ぎないことになります。
入島料収入以外の公益事業収入が、全額管理費に回された(絶対にそんなことはあり得ないのですが)と仮定しても、それでも180円程しか本来の目的には使われていないのです。
つまり、入島料の約半分、どんなに少なく見積もっても4割が、財団の維持や入島料の徴収費用に使われているのです。
もちろん、本来事業を何もやっていないとは言いません。
アニュアルレポートによれば、御獄の調査、港のゴミの分別、島の子供達によるビーチクリーン活動などが行われています。
しかし、それが入島料の主な使い道ではないのであれば、話が違います。
管理費をもう少し細かくみていきます。
まず、役員報酬が1,282,960円です。昨年度からは大幅に減っていますがそれでも、事業費も含めた総費用の10%が役員報酬なのです。
給与費が3,424,443円、賞与と法定福利費の合計が546,884円です。給与費は昨年度と比べほぼ倍増です。
そうなると、役員報酬を含む人件費は、5,254,287円となり、総費用の42.6%を占めます。
300円の入島料の内、推計で110円~125円が役員報酬を含む人件費に消えているのです。
人件費以外に、その他の管理費が100万円ほどオンされます。
一方、入島料の1/3以内の範囲で積み立てられるはずのトラスト事業用の資産は、前年度比で僅か42,000円の増加に過ぎません。
これは、トラスト基金を指定した寄付が42,000円あったためで、入島料からの積み立てはゼロです。
2019年度からのトータルでも9,057,090円に止まります。
かつて、コンドイビーチ隣接地にリゾート開発計画がありましたが、島を挙げて反対しました。代表は訴えられ、訴訟沙汰にもなりましたが、初志を貫徹しました。
再びそういったことが起きないように、土地を買い戻すためにトラスト基金を始めたのではなかったのでしょうか。あの時の熱気は何処に消えたのでしょう。
宮古島の景観地、東平安名崎では、かつて地元の自治会が、環境美化活動のためとして来訪者から300円の協力金を集めていました。
しかし、事業目的に地域住民の雇用が含まれていたことを不審に思った人達が調べたところ、事業は委託され、委託先が徴収員を雇って集金し、協力金のほとんどが徴収員の人件費に消えていたのです。
竹富島の入島料は、これとは違うと胸を張って言えるでしょうか。
昨年度も、一昨年度も、半分ほどを財団の維持費用に使ってしまい、トラスト基金は増えていません。
一方で、ガチャを作ったり、返礼品を替えたり、そんなことを一生懸命やっている。それも経費です。
これで「入島料は、島の自然・祭事・習慣・伝統工芸や町並みを未来へ残す環境保全活動に使われます。」と言うのは、おこがましくありませんか。
冒頭のイラストは、もちろんAI作ですが、ブロンプトを書いたのは自分です。
悪意に満ちているように見えるかも知れませんが、今の偽らざる心境をAIが上手く表現してくれました。
応援をしていただけに、入島料を取り巻く現在の環境には酷く失望しています。
同じテーマで記事をアップしたのが8月25日ですが、その後に2025年度の収支状況を見て、益々残念な気持ちになってしまいました。
※ 財団の収支については、こちら。
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