2014年5月13日火曜日

下地島空港のタッチ&ゴーが絶滅寸前!

  残念ですが、とうとうその日がやって来てしまいました。
 
 沖縄の青い空とコーラルブルーの海を背景に、ジェット機が轟音を響かせて目の前を通過する、あの下地島空港の訓練飛行が、4月からほとんど見られなくなっています。

 記載日現在分かっていることをレポートします。


 経緯は次のとおりです。

 下地島空港は、宮古島市(旧伊良部町)下地島にある沖縄県管理の地方管理空港で、この種の空港としては異例の3000㍍の滑走路を有しています(宮古空港・石垣空港は2000㍍級)。

 昭和54年(1979年)に供用開始され、航空会社によるパイロット訓練に使われてきました。
 那覇からの定期便が就航していた時期もあり、緊急着陸や企画商品による旅客機の発着の例も若干ありましたが、専ら訓練飛行に使用されていました。

 下地島空港の維持管理費は年間3億円超といわれ、日本航空と全日空が折半する形で負担してきましが、日航が経営再建に当たり自社で副操縦士の育成を行わないとしたことから、平成22年(2010年)度以降日航機がこの空港を飛ぶことはなくなり、それでも日本航空は、その年と翌年は運営費を負担したものの、平成24年度から完全撤退します。


(JALがタッチ&ゴーをしていた頃)


 一方、全日空はその後も訓練飛行を継続してはいたものの、単独での費用負担は堪えられないとして、沖縄県側と話し合いを続けてきており、撤退は時間の問題といわれていました。

 そして、今年3月に琉球新報で報じられたところによると、全日空は今年度に限り運営費用の半分を負担し、来年度からは完全撤退するそうです。また、今年度の訓練飛行は、当初は年間数百回程度可能(従来の1割程度)としていたようですが、中部国際空港・長崎空港での訓練に切り替えるため、下地島空港での訓練は行わないとし、県は、なんとか今年度は訓練飛行継続を要請したそうですが、結論は報じられていません。

 現在、下地島空港では、琉球エアコミューターと海上保安庁の小型機が細々と訓練飛行を続けていますが、いつ行われるか、いつまで続けられるのかは明らかではなく、昨年度まで、県と下地島空港施設株式会社のHPで公開されていた訓練スケジュールも、H26.5現在公開されていません。

 ショーとして訓練飛行が行われているわけではないので、観光客としては、これを受け入れるしかないのですが、それにしても、来年1月に伊良部大橋の完成が予定されているだけに、間に合わなかったのかという気持ちもあり、本当に残念です。


 現在、沖縄県庁内に作業班が設置され、来年度以降のこの空港の利活用策が検討されていることだけお伝えしておきます。




※ 追記
 沖縄県下地島空港管理事務所のホームページ(平成27年6月18日更新)には、次の記載がありました。

 「ANAは、平成26年度末をもって完全撤退となり、現在継続的に行われている訓練は、RAC(琉球エアコミューター)や海上保安庁所属の小型機訓練のみ。」


※ 追記2
 H29.3現在の最新情報はこちら。




6 件のコメント:

  1. 悲しすぎる・・・

    返信削除
    返信
    1. 海上保安庁の飛行機などが、細々と訓練飛行を続けているようです。

      削除
  2. こちらのブログで今日はじめてこの事実を知りました。とても残念ですね。
    伊良部大橋もできるのに・・・。

    返信削除
    返信
    1. これは、5月に書いた記事ですが、その後も事態は変わらないようです。
      せめて、橋が開通するまで頑張ってくれればと思いました。

      削除
  3. こんにちは、楽しく拝見させて頂いております。
    今月の3日~7日まで宮古島、7日~10日は本島の旅より帰ってきました。

    レンタカーを借りて5日に伊良部大橋を渡ってきました。
    下地島の空港跡(?)は、車でぐるっと回ってきましたが、あんなに立派な滑走路が勿体ないですね。
    私が行ったときは、小さい飛行機が飛び立って直ぐに見えなくなってしまいました。
    夜に宮古の酒場でお話しした、おじいにこのことを言うと、地元でも橋が架かったとたんの話で「米軍が使えばいい」と言う人も多いらしいです。
    まぁ、米軍ならこんな近くに行けないでしょうが・・・

    あいにくの天気と風でしたが、行ったから余計に、ほかにいにょさんの写真と楽しかった沖縄がシンクロします。

    返信削除
    返信
    1. うれしいコメントありがとうございます。
      また、いつもご覧いただき重ねてありがとうございます。
      仰るとおり、下地空港はこのままではもったいないですよね。
      現実は、厳しいようですが。

      削除