八重山の伝統行事、結願祭(キツガン)。ご紹介するのは、8月31日に行われた、竹富島の結願祭の奉納芸能の模様です。
清宮御獄という神社に特設会場が設けられます。
まずは、公民館長(右)のあいさつ。
島の公民館長とは、単なる自治会長にあらず、島における事実上の行政の長であり、神事の際に神司(かんつかさ=女性)を補佐する重要な役なのです。
結願祭とは、一年の願いをとくお祭りということで、一年間の感謝と、今年の豊穣を島の神様にお願いします。
二日間行われ、前日の神司の夜籠り、当日午前の拝所(22箇所)訪問を経て、ハイライトとして行われるのがこの奉納芸能です。
最初に行われる「始番狂言」。
4人の老人が、一年間の豊穣を神に報告します。
右手奥が拝所。ここは、原則として神司などの女性しか入れません。その手前に、長老達が並びます。
すべて島言葉で、何を言っているのか全く分かりませんが、台詞は決まっていて、間違いなく演じているか、長老達がチェックしているのだとか。
そして、老人達は、御神酒をいただき、子供達の芸能を楽しみます。
踊っている人達は、子供の役を演じています。
夏の沖縄で人が集まるから、とにかく暑い。観客(島のおじい、おばあ)にサンピン茶が配られます。
と思ったら、さりげにビールが・・・
続いて「始番狂言」と共に必ず行われる「芋掘狂言」。芋を収穫する二名の女性と、芋を運ぶ男性とのユーモラスな会話を通じて、芋が収穫できる喜びを表現する狂言です。
両脇の二人は女役です。
これまた、何を言っているのかまったく分からないのですが、客席から時々おばあ達の笑い声が。
最後に島に三つある集落から、それぞれ踊りを奉納します。
人口わずか三百数十人、しかも観光シーズンの真っ只中にあって、これだけの行事を行うのはさぞかし大変なことだろと思います。
しかし、竹富島では、11月頃に「種子取祭」という、さらに大規模な伝統行事が行われます。
竹富島に限りませんが、沖縄の島人が、こういった伝統行事に捧げるエネルギーはもの凄いものがあり、都市部のベッドタウンに住む自分などには想像も出来ないものです。
この日の夜、大役を終えた公民館長殿は、あちらこちらから声がかかり、はしご酒。
0 件のコメント:
コメントを投稿