2017年1月20日金曜日

宮古島・石垣島の「いい宿」「お勧めの宿」とは? Ⅲ


 宿シリーズ。1回お休みしましたが、第3回目です。

 今回は、自分も毎回楽しみにしている、民宿のゆんたくについてです。
 (なお、前回同様、ペンション・ゲストハウスといった名前の宿も、民宿で一括りしています。)




 沖縄の、特に宮古・八重山地方の一部の民宿ではゆんたくがあります。

 ゆんたくは沖縄の方言で、「おしゃべり」「井戸端会議」のような意味の言葉ですが、島宿でゆんたくといえば、夕食時・夕食後の飲み会のこと。

 つまり、たまたまその日、その宿に泊まった人達が、食事をするだけではなく、一緒に飲んで、おしゃべりをする、言ってみれば、宿主催の飲み会が毎晩開催されるようなものです。




 夕食の時間に食堂に行きます。自分は一人旅なので、最初は知っている人が一人もいないわけですから、ちょっと臆するところもありますが、タイミングを逸すると、しばらく黙々と食事を続けることになるので、思い切って話しかけてみます。

 「どちらからですか」「この島は何日目ですか」なんていう挨拶代わりみたいなことでも、それがきっかけになって、会話が始まります。


 「知らない人同士で和気あいあい」、なんてあり得ないと思う人もいるでしょうが、経験上、大抵話が弾みます。飲まない人もいますが、一緒になって輪に加わるのが普通です。

 やはり、沖縄という共通の趣味があるからで、加えて、お互い旅行中でテンションが高くなっていることも影響しているのでしょう。

 職場の飲み会のような気遣いをしたことは、あまり記憶にありません。もちろん自由参加ですが、いつも、参加者の方が圧倒的に多く、他愛のない話で盛り上がります。

 「台風来てますね。」「明日、那覇経由で帰るんだけれど、大丈夫かなぁ?」「もし、飛行機が飛ばなかったら、明日も飲みましょう。」「この島は大丈夫ですよね?」「風が強いかも知れないけれど、○○浜なら泳げるんじゃないですか。」「じゃあ、今日の酒はほどほどにしておこうかな。」「夕べもそう言っていませんでしたっけ?」




 驚くのは、沖縄離島は初めてとか、民宿泊まりは初めてという人に少なからず出会うことです。「よくぞ思い切ってこんな所(ゴメンナサイ)に!」と言いたくなります。自分が、こうした民宿に泊まれるようになったのは、何回もホテル泊を経験してから。やっとたどり着いた道なのに。


 ゆんたく仕様の民宿では、大抵は食堂がゆんたく場として解放されます。酒も、泡盛に関しては、サービスとか、300円・500円といった低額で飲み放題、氷と水はご自由に、みたいな所が多く、お客さん同士の交流の場を提供してくれています。

 宿によっては流儀が決まっていて、必ず全員自己紹介するとか、夕食を一旦終えて時間を置いて開始(その間、シャワーを浴びたり夕日を見に行ったり。)するとか、おじいが三線弾いて、唄って踊って、なんてところもあります。


 皆で飲んでおしゃべりして、が基本ですが、それに止まらず、黒島や小浜島では、星空を見に出たこともあります。
 竹富島では、蛍を探して夜道を散歩したり、来間島では、どうしてもコーラが飲みたくなった人に付き合って、真っ暗な道を懐中電灯を片手に自販機を求めて彷徨ったり。
 宮古島では、夏休みで小学生の子供連れで来ていたお客さんと一緒になり、子供達とトランプの「7並べ」なんてしちゃいました。何十年振り?笑

 こんなノリで、島の夜を楽しく過ごします。希には、オーナーから秘蔵の酒をごちそうになることも。




 同じ宿に何回も泊まると、以前に会った人と再会することもあります。

 「あ~」「おぉ、これは奇遇ですね。」

 実は、こういう場合、何となく顔は覚えていても、名前は忘れています。かすかな記憶を辿って、「確か○○の仕事をされている方ですよね。」「よく覚えていますね。」「いやいやどもども~」なんて適当な会話をしながら時間を稼いで、必至に思い出します。

 時には、完全に忘れていて、「初めまして 乾杯~♪」とやったら、「前にお会いしましたよね。」と返されたことも。


 そうして仲良くなって、その後一緒に海に行ったり、ドライブしたりする人達もいるようです。
 以前ならアドレス交換をしたり、今ならSNSで友達になる人も少なくありません。
 一人旅女子同士、ゆんたくで仲良くなって、その後旅共になった話も聞きました。

 自分は、ブログPR用の名刺を持参し、ゆんたくで仲良くなった人達に配っています。
 「ブログやってます、帰ったら見てください。」なんて言う奴に会ったら、多分ワタシ・・・




 こんな感じですから、沖縄旅行でゆんたくを楽しみにしている人は、実は沢山います。もちろん、自分もその一人です。

 ゆんたくは、大きな宿では不可能です。客室が数室で、お客さん全員が、食堂の大テーブルに集まれるような、小さな宿限定です。



 しかしながら、いつもいつも楽しいことばかりではありません。
 当然ですが、色々あります。

 その辺は、また次回。

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