2018年7月22日日曜日

ドキュメント 台風で宮古島行きは中止か決行か Ⅱ




 そして、いよいよ嵐の7月10日を迎えました。


 伊良部大橋など3橋は、午前3時から早くも交通規制です。


 さらに、宮古島市は、午前1時30分に、台風警戒のための避難準備情報を、午前6時30分には、全島民に対し避難勧告を発令。
 避難勧告とは、最近よく聞く言葉ですが、人的被害が高まった場合に、避難のため速やかにその場を立ち退くよう促すものです。

(宮古島市HPより)


 しかし、この避難勧告は謎。
 避難場所に指定されたのは、JTAドームと、後は役所の庁舎など。とてもじゃないけれど、5万5千人の島民が避難できるスペースはありません。

 聞いたところでは、島の人でも知らなかった人が多かったようで、豪雨被災地の避難勧告とは、どうもイメージが違う。

 しかし、今そこを突っ込でいる場合ではなかった。台風は、この間も刻々と宮古島に接近しています。



 航空機の運航状況はといえば、宮古空港・石垣空港は、この日は終日閉鎖。那覇空港では、ギリギリ台風の暴風域には入らないものの、台風の東側に当たるため、かなりの強風が吹き荒れたようです。

 そして、羽田発那覇行きの運航状況をみると、JALANAで対応が全然違うのです。

 JALは、朝の1便から欠航を決め、夕方16時過ぎの到着便から運航を再開し、その後臨時便も飛ばして対応したようです。 

JALのHPより)



 一方のANAは、昼過ぎ着の2便のみを欠航とし、他は運航とします。

 しかし、朝の第1便・第2便は予定どおり飛びましたが、第3便は、一旦飛んだ後、羽田空港に引き返し。

 第4便は、無事到着はしたものの、相当の遅延。恐らく那覇空港上空で旋回を繰り返しながら、着陸できるタイミングを計っていたのでしょう。無事着陸できるかヤキモキしながら、しかもその間、相当揺れたであろうこの便の乗客の皆さま、本当にお疲れ様です。

 その一方、第4便より後から出発した第5便は、途中第4便を追い抜き、予定時刻よりも20分も早く到着。一体どうなっているのやら。

ANAのHPより)


 それにしても、同じ空港を、同じような機材で運航する両社で、こうも対応が違うのにはビックリしてしまいます。

 もっとも、飛ぶには飛んだけど引き返したり、長時間上空で旋回したりするのもちょっとイヤなので、どっちの対応が良かったのかは難しいところです。



 午前9時を廻った辺りで、宮古島は、風速25㍍以上の暴風域に入ります。

 勢力は、当初の予報のような猛烈な台風からは少し後退したものの、それでも「非常に強い」935hPaで、北西に時速30㎞でばく進中。

 この時点では、台風の東側に当たる本島の方が風が強く、那覇市や南城市で風速30㍍を超える瞬間最大風速を記録しています。

 昼前、宮古島市内の一部で早くも停電が発生します。


 午後3時ジャスト、宮古島が台風の目に入りました。

(気象庁HPより)


 半径2~300㎞の巨大な雲を従え、広い太平洋を自由に進む台風の中心が、こんな小さな島を正時に通過するのは、まさに2階から目薬。

 しかも、米軍予想では、3日前にこれをドンピシャで当てていた。凄げ~! これは、まさにホールインワン賞!
JTWCのHPより)

※ グリニッジ標準時で表示されるため、日本時間は+9時間となります。


 台風の目に入ると青空が見えるとか、星空が見えるとか言われますが、本当に太陽が顔を出しました。
 宮古島は、今まさに台風のど真ん中です!
Hideki Matsuo さまFacebookより)


 台風の中心が、宮古島を通過したということは、残りあと半分。何とか無事通過してもらいたい。
 しかし、その考えは甘かった。

 反時計回りに渦を巻く台風(低気圧)は、中心の南東方向の方が風雨が強まる傾向にあります。
 台風8号は、北西に進んでいるところなので、中心が通過した後の南風の方がむしろ怖いのです。

 
 Facebookで友達になっている宮古島の人達が、次々に動画をアップします。

 電線が縄跳びの縄のよう。あれが切れたら停電か?

 見たことのある物置のトタン屋根が、今にも飛びそう。あれが生身の人間に当たったら即死でっせ。

 豪雨と強風のため、窓枠の隙間から雨が部屋に染みこんでくる。


 コメントを寄せる人も、皆、合い言葉のように「あと少し」「もう少し」を繰り返しています。

 まだ内地にいる自分も、思わず肩に力が入ります。「あと少し」「あと少し」「あと少し」・・・



 夜9時。宮古島は、あとわずかで暴風域を抜けるところ。

 でも市内では、ドンドン停電箇所が増えて行きます。
 夜11時頃、停電箇所は、市内約26,000世帯のうち、11,500世帯にまで達しました。



 島民が水や食料を買い求めたコンビニの商品棚は、豪雨災害で報道される、被災地のスーパーと同じような状況になってしまいました。



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