2019年4月5日金曜日

コンパクトデジカメで沖縄の星空フォトを撮ってみよう




 インスタ映えを狙ってなのか、宮古島や石垣島で、満天の星空をバックに写真を撮るのが流行っています。

 しかし、さすがにスマホで自撮りというわけには行かず、これはプロの仕事となります。宮古島や石垣島には、専門の業者も増えています。

 ですが、星空観測ツアーならともかく、マイ星空フォトを撮ってくれる業者は、なかなか予約が取れなかったり、業者によっては結構いい値段だったりするのだそうです。


 星空フォトツアーは、夜間の月が出ていない時間帯限定です。
 満月の日は一晩中ダメだし、真夜中にようやく月が沈むなんていう日も現実的ではありません。
 新月の前後とか、少なくとも宵の口の時間帯に月が出ていない日のみに催行され、しかも、雲が出らたアウトです。星空は天候にシビアです。
 なので、限られた実施日には人気の業者に予約が殺到するのです。
  
 
 星空フォトの撮影には、一眼レフカメラと開放値(F値)の明るい超広角レンズが必要ですが、これが高い。レンズ1本で10万円超えもザラです。自分も持っていません。


 でも、ある晩、ふと空を見上げたら満天の星空だった、なんていうときに、これを写真に撮ってみたいと思いませんか?
 高価な機材がなくても、コンパクトデジカメで何とかなるかも知れません。明るい超広角レンズが装備されているコンデジが、意外とお手頃価格で売られています。
 わざわざ買わなくても、メンバーの中にこういったコンデジを持っている人がいれば、撮影OKです。

 もちろん、プロの機材には適いませんが、頑張れば、ほぼほぼプロに迫る写真が撮れるかも知れません。

 ということで今回は、コンパクトデジカメを使って手軽に星空フォトを撮ってみようという企画です。



 自分は、このカメラ使っています。
 元々は、水中の写真を撮るためにハウジングがあるモデルを探したのですが、ズームレンズの広角端は35ミリ換算で24ミリ、開放値は1.8なので、買った後で、星空フォトにも使えることが分かりました。

 今回の写真は、このカメラで撮ったものです。ちなみに、5年ほど前に買ったときに約4万円でした。



 まず、設定を、オートやプログラムではなく、マニュアルモードにしてください。



 その上で、絞りは開放か少し絞る程度、シャッタースピードは20~30秒に設定します。ISO感度は、3200~6400です。
 


 つまり、超高感度の長時間露出によって、星の僅かな光を写し撮ろうというわけです。
 星は、少しづつ動いています(本当は地球が動いているのですが)。星を点として写すには、シャッタースピードは30秒が限界です。超広角レンズが必要になるのも、同じ理由です。


 シャッターを押すとき、そのわずかな力でもぶれてしまいます。そこで、セルフタイマーを使ってシャッターを切ります。
 


 カメラのほかに必要なのは三脚です。長時間露出なので、手持ちはあり得ません。大きくてガッチリした三脚ほど頼りになるのですが、軽いコンデジならば、小型の三脚でも何とかなります。




 三脚がない場合は、テーブルなどしっかりした場所にカメラを置いて試してみましょう。長時間露出では、ぶれやすいので、不安定な場所や柔らかい場所(地面の上など)は不適当です。



 星空はそれで撮れるとして、一緒に人物を写したい場合は、さらに次のような工夫が必要となります。

フラッシュを強制発光させる
 星空撮影中にフラッシュを発光させ、人物を浮き上がらせます。冒頭の写真はこの方法で撮りました。
 もっともお手軽な方法ですが、カメラの測光機能の限界に近いので、上手く行くかどうかは撮ってみるまで分かりません。また、運が悪いと、カメラの前を飛んでいた虫がバッチリ写ってしまうことも。
 結局、何枚も撮ってみて、一番いいものを選ぶことになります。

 強制発光は、発光部をポップアップすればできると思いますが、それでダメなら、カメラの取説を読んでください。


懐中電灯で照らす
 星空撮影中に人物に向けて1~2秒ライトを当てます。長すぎると、明るく跳んでしまいますので、これも何回か試してみる必要があります。 

 下の写真は、人物ではありませんが、真っ暗闇の中、手前の看板に手持ちの懐中電灯で一瞬光を当てて撮ったものです。
 小浜島のゲストハウスパナパナにて。



自然のまま撮る
 遠くに街灯があるような場合、肉眼ではほとんど見えない物でも、長時間露出では写ることがあります。
 上から2番目の写真は、何もしていませんが、竹富島のなごみの塔に昇ってもらって星空を撮ったところ、人物もちょうどいい具合に写りました。

 一番自然に撮れますが、その間、被写体の人は動くことができません。それでも、20~30秒間まったく動かないということは不可能なので、動いてしまっても目立たないよう、人物を小さめに撮ります。


 


 星空フォトには、ちょっとしたコツがあります。

 暗闇の中でカメラをセットすることになるので、ファインダーやモニターで確認できません。取り敢えず1枚撮ってみて、それを見ながらカメラの位置や角度を修正するようにします。

 人物を撮るとき、黒っぽい服装はどうしても暗闇に埋もれてしまいます。明るい色のTシャツを着るだけで、印象が違います。

 フラッシュを使う場合も含め、露出時間中、被写体の人はできるだけ動かないようにします。そのためには、なるべく楽なポーズがいいようです。
 寄りかかるものがあればベターです。

 それでも、長時間露出では人物はどうしてもぶれてしまいます。そのブレを目立たなくするためにアップは避け、顔が正面を向かないよう、横向き、後ろ向きで撮った方がいいようです。
 星を見上げている所を後ろから撮るような感じです。プロの写真もほとんどそうなっています。


 下の写真は、同じくパナパナにて。同宿のお客さんにお願いして、テラス手前のデッキチェアに座ってもらいました。

 風景写真としては、ここに人が居てくれることで、臨場感がでます。記念撮影ならば、人物にちょっとライトを当ててみるといいかも知れません。



 スマホやデジカメで、誰でもプロ並みの写真が撮れる時代ですが、星空フォトに関しては、道具と経験がものを言う世界です。
 撮ってくれる人がいるならば、任せた方が確実です。


 でも、そこを敢えて自分達で撮ってみるのも、また楽しいと思います。離島の小さな民宿なら、夕食後、ほかのお客さんも誘って旅の思い出を1枚、なんてどうですか。

 失敗しても、楽しい記念写真となります。もちろん上手く撮れれば、インスタアップも可能ですよ。



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