緊急事態宣言が解除されおっかなびっくり行った7月
観光客が増えるどころかむしろ減った気がする8月
シーズン終了間際になってどっと観光客が増えた9月10月
コロナに振り回された今年の沖縄旅行を振り返ります。
何だかんだと言っても、今年の夏もほぼ例年通り7回沖縄に行きました。
ただ、7月・8月は、本当に無事行けるのだろうか、もしかしたら、これで沖縄旅行は、最後かも知れないという緊張感を常に感じていました。
幸い今年は台風には遭遇しなかったのですが、巨大な台風が付近を通過するかも知れないときに似た緊張感です。
「ひとり旅」が自分の旅のスタイルであり、当ブログでも常々色々な角度から話題にしてきましたが、今年はコロナのせいで、特に意味あるものになりました。
一人で飛行機に乗り、一人で泊まり、一人で食事をする。居酒屋で宴会したり、おねーさんの接待を伴う飲食店には行かない。これならば、コロナ禍においても堂々と旅に出ることができます。
実際に8月に石垣島に行ったときには、このとおり実践しました。
ついでに言えば、出発前も飲み会や会食をしない。これならば文句ないだろう!という体制です。
もっとも、普段は民宿に泊まることも多いのですが、そこではオーナーや他のお客さんとの食事や飲みもあります。
それでも、今年は、事前の発熱チェックのほか、テーブルにパーティションがあったり、窓開け換気があったりと、去年までとは様子が異なりました。
面白いと感じたのは、飲んでいても皆お互い自然と距離をとっていることです。元々、その日に偶然集まった者同士なので、顔をくっつけて語り合うような飲み会ではないのですが、それにしても、皆さん新しい生活様式を身につけています。素晴らしい!
(どうでもいいことですが、今まで「パーテーション」だとばっかり思っていたのですが、「パーティション」(partition=間仕切り)とATOKに指摘されました。ああ恥ずかし 汗 )
この夏は人が減って、20年前の宮古・八重山に戻ったような感じでした。一方、航空業界マジヤバイんじゃない?と本気で思いましたよ。特に7月8月は、羽田空港に着いたとたん、既に異次元の空間でした。
宮古空港、石垣空港到着後の手荷物受取カウンターもガラガラで、プレミアムクラスではないのに、あっという間に自分の荷物が廻ってきます。
最も凄かったのは、8月上旬に乗った宮古発那覇行きの便の機内。前方席には多少乗っていたようですが、機体後方にはホンの数人。
バス1台に全員詰め込んでも満席にならないのではないかと思うほど。
JAL・ANAが4桁億円の赤字というのもよく分かります。
その一方で、沖縄に限らずですが、9月からは観光地の人出が増えました。
特に増えたのは、9月下旬の4連休から。それも、9月13日以降急に予約が増えたんだそうです。
この日に何があったのかといえば、GoToが東京都でも開始されると報道されたのです。しかし、実際の東京のGoTo解禁は10月1日のはず。何故9月中に人が増えた?
要は、旅行に行く人は、GoToがあろうがなかろうが旅行に行くわけで、何となく心配で出発をためらっていた人にとってGoTo解禁は、旅行に行っても大丈夫だというお墨付きだったのではないでしょうか。
だとすると、巨額な税金をつぎ込まなくても、「○○を守れる人は旅行に出ても大丈夫です」というメッセージを発信するだけで、効果があったのではないかと思うのですが。
明るい話題ではありませんが、今年よく耳にした、コロナによる差別や分断を、リアルに感じる場面もありました。
8月の石垣島でのこと。レンタカー送迎車の運転手がこんなことを言っていました。
「石垣島の人は真面目だから、誰も感染していなかったのに、みんなよその県から持ってきた。福井県知事はひどいよね。石垣島で感染したとか言って。自分達が持ってきたくせに。」
このとき、福井県から石垣島に来た4人組が美崎町の接待を伴う店で遊んで、帰ってから全員発症したというもの。
福井県知事が記者会見して、「状況からみて、石垣島で感染したと考えられる。」と言ったのです。
福井県知事が記者会見して、「状況からみて、石垣島で感染したと考えられる。」と言ったのです。
こんなことを記者会見する知事も知事ですが、運転手の方は、感染者は遊び人・不真面目だという偏見がありあり。双方とも自分達の方が被害者だという意識も見苦しい。
宮古島でも、感染者が出た始めた頃には、ネット上で実名を挙げた犯人捜しが行われたのだとか。
東京で陽性者が増加している頃には、ネットで「こんなときに東京から沖縄に来るなんて犯罪行為だ」とヒステリックに叫ぶ人もいました。
その後、ご存じの通り沖縄で陽性者数が増加し、一時、人口当たりの陽性者・患者数が全国一になってしまいましたが、沖縄から他県に行くことは犯罪行為だというのでしょうか。
分断も強く感じました。
観光業で食べている人達にとっては、観光客がいなくなることは死活問題。一方で観光業に直接関係ない人は、観光客はむしろ来ないでほしい存在です。
以前なら、お互い心の中では思っていても、面と向かって言うことはなかったのですが、なまじSNSがあるものだから、過激な意見が拡散します。ハンドルネームや匿名で発言しても分かる人には分かってしまいます。
それを知った人が、今度は相手のいないところで愚痴るみたいなことが実際に起こっています。
誤解による誹謗も蔓延していました。
8月に沖縄県で陽性者数が急増していたとき、知事が、島出身者に対し旧盆(今年は8月末)に帰省することを自粛してほしい旨発言し、一方で、観光客の来島自粛までは求めないとしたことから、一部で「金儲け優先」と知事を糾弾する声が上がりました。
しかし、少なくともこの件に関しては、知事の立場は理解できます。
沖縄の盆行事は、一族が総結集し、文字通り三日三晩飲み明かします。エイサーやアンガマも盆行事です。これらは、言うまでもなく密密密です。しかも、医療体制の乏しい離島や山間部の方が盛大に行われる傾向にあります。
そんなところでクラスターが発生したらひとたまりもない、それだけは絶対に避けたい、だから、今年はいつものような盆行事はやめてくれ、観光客にかまっている余裕はないから、来てもいいから大人しくしていてくれ、ということだったのだろうと想像しています。
コロナのおかげでみんながおかしくなってしまった。それは、実際にコロナに感染した人よりも遙かに多くの人が罹ってしまった副作用であるかのようです。
コロナイヤーだった2020年が間もなく終わろうとしています。
疫病退散、病気平癒を縁起とする寺社、全国各地に伝わる祭り・伝説など、これまであまり気に留めることはありませんでしたが、昔の人達は、見えない敵に対し、神仏にすがり、祈るしかなかったということを、初めて実感できた年でもありました。
スマホ一つで飛行機にも新幹線にも乗れる時代に、世界中の叡智を結集しても、未だにコロナを克服できない訳ですから。
東日本大震災のときもそうでしたが、ある意味貴重な経験を積んだ1年だったのだと思います。
来年こそは、普通に沖縄旅行が楽しめる年に戻っているよう、心から願っています。
でも、だからといって、急に人が増えてほしくないというのも、正直な気持ちではありますが。
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