かねてから地元押しで、キリン一番搾りも応援していた、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が世界自然遺産に登録される見込みとなりました。
ユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)は、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を世界遺産に登録するよう求める勧告を発表しました。
この業界では、登録勧告はそのまま認められるのが通例なんだそうで、7月中には開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録が正式決定される見通しとのこと。
地元では、大いに盛り上がっているようです。
世界自然遺産とは、人類共通のかけがえのない財産として、将来に引き継いでゆくものなんだそうですが、世界遺産には自然遺産と文化遺産があり、今回は、自然遺産として登録されます。
ちなみに、沖縄関連では、文化遺産として、琉球王国のグスク及び関連遺産群が2000年11月に登録されています。
ちょっと不思議なのは、そのエリア。
奄美大島、徳之島ときて、沖永良部島と与論島はすっ飛ばし、沖縄本島は北部のみ、さらにそこから、宮古島、石垣島もぶっ飛ばして、400㎞以上離れた所にある西表島を一括りにしていることです。
(沖縄県ホームページより)
共通点は、亜熱帯の照葉樹林やマングローブなどの多様な自然環境(環境省パンフレットより)なんだそうですが、それにしても、いくら何でも離れすぎでは。
県のホームページによれば、「多様で固有性の高い生態系を有することと絶滅危惧種の生息地として重要な場所であること」が、登録の理由で、続いて、「これら4地域が一体となってはじめて世界自然遺産としての価値を有します」とありますが、それについての理由は書いてありません。
日本列島の総延長は約3,500㎞、約3,700の島から成りたっていますが、その中で最も隙間があるのは、沖縄本島と宮古島の間で約300㎞なのですが、それが今回のエリア内にあります。
絶滅危惧種としてエリアのシンボル的な存在で、一番搾り缶にも描かれている、アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコは、それぞれ、奄美、やんばる(本島北部)、西表島と別の場所に棲んでいます。
(石垣島のカンムリワシも、何故俺を入れないのかとおかんむり。)
ところで、世界遺産になるとどういったメリットがあるのでしょうか。
色々検索して調べてみたのですが、ユネスコによる規制がかかる訳ではなく、ユネスコからの補助金もない。日本政府による補助金があったとしても、世界遺産とは直接は関係ないのだそうです。
つまり、ぶっちゃけ有名になるだけということのようです。有名になれば、観光客が押し寄せるだろうと、まあそういうことらしいのです。
しかし、アマミノクロウサギも、ヤンバルクイナも、イリオモテヤマネコも、生息数も限られ、住処はジャングルの中です。一般の観光客が目にすることはまずできません。
かつて、北海道の知床半島が世界自然遺産に登録された時に、地元の人から聞いた話ですが、観光客が増えたのも一時的で、長続きはしなかったそうです。
世界自然遺産になって、自然保護が進み開発が抑制されるならば、それは大変結構なことですが、多くの人が期待しているのはその反対のことのような気がして、どうも素直に喜べません。
いや、それはちょっとひねくれ過ぎでしょうか。
やっぱり素直に喜びましょう。おめでとうこざいます。
なお、同時期に「北海道・北東北の縄文遺跡群」も、世界文化遺産として登録される見通しです。
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