沖縄本島北部、本部半島にある、備瀬のフクギ並木です。
フクギは、沖縄地方や奄美地方で、古より防風林・防潮林とするために、集落に植えられてきました。
竹富島、波照間島、渡名喜島のように古い集落が残る島ではお馴染みですが、本格的な並木道としては、この備瀬のフクギ並木や、久米島にあるチュラフクギなどが有名です。
オオタニワタリです。着生植物で、温暖で多湿の場所を好みます。フクギ並木ではよく見かけます。
途中に海が臨める場所も。遠くに見えているのは、伊江島と城山(タッチュー)です。
フクギは、福木です。
葉っぱが小判のような形をしていて、縁起がいいからだという説もありますが、フクギは木の幹が堅牢で葉っぱが密集するので、庭に植えておけば、防風林・防潮林になり、火事の際の延焼防止にも役立つため、昔の人達にとって文字通りの福木でした。
フクギの実は、落下して腐臭を放ち、道路や庭を汚すので、近代のアスファルトの道路には不向きだとされていましたが、実がならないよう、雄株のみを挿し木で殖やして利用するための技術開発が行われているそうです。
そんな備瀬のフクギ並木ですが、近年観光客が増え、素朴な景観がウリだったはずの並木道は、プチバブルの様相を呈しています。
道の起終点にはケードが出来ました。駐車場は有料で、周辺には食堂、カフェも点在しています。
予約すれば、なんと水牛車にも乗れるそうです。コロナ以前は、団体客も珍しくはなかったとか。
備瀬のフクギ並木は、昔の沖縄らしさを感じられる場所です。
でも、正直、人に勧められかといえばどうでしょうか。ぶっちゃけ、集落の細い道の両脇に同じ木が植えられているだけ。
コーラルブルーの海を見たときのような感動は難しい。
それも、古き良き沖縄に思いを巡らせながら、のんびり散策するならともかく、大勢の人が行き交うようでは雰囲気も台無しです。
立地的に、美ら海水族館から近いこともあり、団体客、外国人観光客の観光ルートとしてもPRされてきました。
今は廃止されましたが、以前は、那覇空港から、美ら海水族館を経由してここまで直行するバスまであったのです。
コロナ禍で人の減った昨年の夏、久々に備瀬を訪れました。ただ木が植えられているだけとはいえ、ここまで密生している場所は貴重です。
本当に沖縄好きの人ならば、何か感じるものがあるかも知れません。
でも、団体さんに遭遇しちゃって、騒々しかったらゴメンナサイですね。
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