2025年9月27日土曜日

沖縄であり得ない水難事故が連発



 この夏も、全国各地で痛ましい水の事故が発生しました。

 沖縄も例外ではありません。しかも最近、「これはちょっと酷い」と思う水難事故が連発しています。




 南国沖縄は9月になっても夏。マリンレジャーが盛んなこともあって、水難事故が絶えません。

 報道されただけでも、

 万座ビーチ沖では、ダイビング中の客とインストラクターが死亡。

 瀬底ビーチの沖合では、海中の写真を撮りに行くと言って海の入った男性が、海中に沈んでいるところを発見される。

 真栄田岬の青の洞窟付近では女性が遭難し、今も意識が戻らないそうです。

 名護市辺野古沖では、米軍の海兵隊員2名が遊泳中に約1㎞の沖合まで流されました。
 こちらは無事救出されましたが、よりによって辺野古沖で米兵が遭難とは何とも皮肉です。


 そんな中でも、これはちょっと信じられない!あり得ない!と思う事故が、9月22日に立て続けに発生しました。 
 



 その一つ。

 瀬底島のアンチ浜で、水上バイクでえい航されながら海上を走っていたトーイングチューブ(バナナボートなどがそうです)が傾き、乗っていた20代の男女3人が海中に投げ出されたというものです。

 3人は頭を強く打ち、脳しんとうの状態で(意識はあったらしい)病院に搬送されたそうです。

 高い所からプールに飛び込み、頭を打つと脳しんとうになることもあるらしいのですが、それと同じことが起きたということは、よほど高速で振り落とされたのでしょう。

 この手の遊具は、振り落とされそうになるスリルを味わうものですが、本当に落としてしまっては、ドライバーとしてアウトです。
 まして、怪我をさせたとなれば、業務上過失傷害罪に問われるかも知れません。


 水上バイクは、結構なスピードが出ます。しかも、曲がるとき、引かれるチューブは牽引するバイクの3倍のGがかかります。

 トーイングチューブの事故の大部分は、ドライバーの技量不足、経験不足によるのだそうですが、見ていると、若い女性客が背後でキャーキャー悲鳴を上げるを楽しんでいるようなドライバーも少なくありません。

 

 もう一つ。

 下地島の17END付近でSUPをしていた40代のガイドと20~50代の客3人が、強風の影響で陸に戻れなくなったというものです。

 4人は下地島空港の誘導灯にSUPを係留し、自力で陸に上がったとのことで、幸いにもけが人はいませんでした。



 上の写真はその誘導灯を海面から見上げたものです。ここにSUPを括り付け、保守点検用のハシゴを登って上がったそうです。

 誘導灯には管理用通路があり、ここを歩いて行けば陸地には戻れます。非常事態にガイドが冷静な判断をした点は評価できると思います。

 でももし、飛行機の着陸時であれば、そんなところに人がいたら、風圧で吹き飛ばされたかも知れません。
 パイロットが気が付けば、着陸のやり直し(ゴーアラウンド)になると思います。


 それより何より問題なのは、何でそんな日にSUPで海に出たのかということです。
 17ENDの海は遠浅ですが外海です。風や波を遮るものはありません。

 
 当日の宮古島は、場所によってはこんな状況でした。

             
(写真提供:Hideki Matsuoさん)


 この二つの事故があり得ないと思うのは、海を甘く見てしまった観光客が無茶をしたのではなく、プロの業者が、金を取って連れて行ったという点です。 
 

 以前、当ブログで「安全に海遊びを楽しむために  ショップ選び」という記事を書いた(詳しくはこちら)ので、参考にしていただきたいと思いますが、ここまで来ると、ガイド選び、ショップ選びは、より一層慎重に行ってくださいとしか言いようがありません。


 信頼できるガイド、ショップを選ぶことはもちろんですが、身の危険を感じたら、ガイドがOKと言っても、客の方から「今日はやめておく」というくらいの勇気が必要かも知れません。

 キャンセル料で揉めるかも知れませんが、契約が成立していても、荒天時にマリンレジャーを催行する(契約を履行する)ことは公序良俗違反なので、悪質な場合は、消費者庁のホットラインに助けを求めることもできます。


 9月22日の事故当時、本島地方北部に雷注意報、宮古島地方に雷注意報・強風注意報が発令されていました。

 


 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

 


2025年9月23日火曜日

少し影が薄くなってきた絶景 池間大橋2025

 


 コーラルブルーの海に架かる長大橋。

 かつては、沖縄一の長さを誇った池間大橋ですが、来間大橋に抜かれ、古宇利大橋にも抜かれ、そして、伊良部大橋完成後は、何となく影の薄い存在になりつつあります。


 でも、周辺環境が変わった訳ではありません。池間大橋の眺め、池間大橋からの眺めは、2025年も変わらず絶景です。




 池間大橋は、宮古島最北端の世渡崎と池間島を結ぶ長さ約1.4㎞の橋で、1992年に完成しました。




 橋から見下ろす海の美しさは、文句なしに「絶景」だと思います。この点に関しては、伊良部大橋に勝ります。



 池間漁港が近いため、漁船やプレジャーボートが周辺を行き交います。

 これが美しい海でいいアクセントになり、フォトジュニック、いや、今は映えるというのか、な場所なのです。



 欄干もまた凝っています。眼下の海の美しさを計算して造ったのでしょうか。



 ここが宮古島の最北端。
 もう過去に何度も写真を撮りましたが、それでもまた行きたくなります。

 天気が悪く、海が波立っていたときも、美しさはないものの、独特の迫力のようなものが感じられる場所なのです。




 バブルと言われる宮古島やその周辺にあって、あまりバブリィ感のない池間島。

 シュノーケリングポイントであったフナクス(ブロックビーチ)の珊瑚の大部分が、白化して死滅したこともあって、池間島自体も影が薄くなりつつあります。


 ですが、その分ゆっくり見て廻るにはいいかも知れません。そんな池間島への架け橋である池間大橋も、ゆっくりじっくり堪能してください。

 できれば、少しでも橋の歩道を歩いてみると、もっといいと思います。





 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年9月18日木曜日

沖縄の土地、宮古島の土地の価格が上がってゆく

 

 物価高です。

 コメからマンションまで、日本の物価上昇率は何とG7の中でトップなんだそうですが、そんな中、沖縄の土地の価格上昇率が全国トップだという、恐ろしい話をお伝えします。




 基準地価の発表があったのは9月16日。

 沖縄県の地価上昇率は、住宅地が5.7%(前年5.8%)で全国1位、商業地が全国3位、工業地がで全国2位で、住宅地の上昇率は10年連続日本一なんだとか。


 首都圏とか関西圏などの並み居る強豪を抑えてこの数字ですから、ぶっ飛びますよね。



 それでは沖縄県内ではどうなっているかといえば、 市町村別の住宅地の地価上昇率は、宮古島市と今帰仁村が11.2%で同率トップ。
 今帰仁村はジャングリアの開業の影響と言われています。

 宮古島市は、商業地の市町村別でも、豊見城市と並び12.5%でトップでした。
 豊見城市は、アウトレットモールの影響と言われています。


 基準地価と似たようなものですが、地価公示価格というのがあって、2024年の地価公示価格(1月1日時点)は、宮古島市では前年に比べた伸び率が、商業地で12.4%、住宅地は12.3%と、いずれも県内トップでした。


 バブルと言われる宮古島ですが、それにしても一体どうなっちゃっているのでしょうか。




 その原因については、色々と検索してみたのですが、専門家なる人達の見解は、「リゾート開発と円安による海外からの投資が牽引した」、とまあ、分かるような分からないような無難な回答がほとんどでした。

 太ったのは、暑くて運動不足の上にアイスクリームなど糖質を多く採るから、みたいなもので、嘘ではないけれど、そんな単純な話ではないだろうと思います。


 要は、よく分からないか、もしかしたら言えない話なのかも知れません。

 それでは、これから先はどうなるのでしょうか。沖縄の、そして宮古島の土地価格は上がり続けるのでしょうか。




 ほとんどの専門家の見解は、「当面この状況が続く」としています。マスコミも何のツッコミもなくそのまま報じています。

 しかし、「当面」とはいつなのか、それが知りたいところじゃないですか。3か月なのか、10年なのか。


 そこで、当ブログの見解を申し上げると・・・なんて言ってみたいところですが、そんなの分かるはずはありません。

 経済の専門家でもないし、専門家だって先のことは分かるはずはありません。

 それでも、敢えて戯言を言わせていただくならば、沖縄県の地価上昇は続かず、高止まりもしないのではないかと、個人的には思うのです。

 理由は、経済には波があるからです。

 


 日本には、「土地の価格は上がることはあっても下がることは絶対にない」という土地神話がありました。

 根拠は、「人は増えても土地は増えない」という理屈でしたが、平成初頭のバブルの時代を頂点にして、土地の値段は下がりました。

 現在では、少子化・過疎化が進み、全国に空地・空家が増え社会問題になっている中、それでも土地がまた値上がりを始めているのです。


 あのとき、「土地は値下がりしない」と言った人も、「もう土地は値上がりしない」と言った人も、結果としてどちらも不正解だったことになります。

 

 昭和の時代には、貯金をすれば利息が付くというのは当たり前でしたが、リーマンショックの頃から、金利がほぼゼロになりました。貯金をしても利息が年0.001%とか。

 ちょっと前までは、国の貯蓄増強中央委員会なんていうのがあって、国民に貯金を奨励していたのです。

 しかし、ゼロ金利になると貯金をしてもらっても銀行は儲からないので、今度はニーサだのイデコだのという税制優遇制度まで作って、官民挙げて「貯蓄はするな投資をしろ」旋風を吹かしまくっていたところに、金利が再び上がり始めています。


 経済の専門家でなくとも、ある程度長く人間をやっていると。「歴史は繰り返す」「この道はいつか来た道」と感じることが多いのです。


 それでは、沖縄の土地、宮古島市の土地の価格上昇はどうでしょうか。




 宮古島市に限って言えば、リゾート開発にとって不都合な真実がいくつかあるのです。


 アメリカの大手旅行サイト Hotels.comが、ホテル価格指数レポート2025というのを発表しています。

 この中の、人気旅行先の平均宿泊費を前年と比較している項目では、平均宿泊費が下がっている宿泊先の第1位は宮古島市で、平均宿泊費は1万9千円、対前年比17%減だそうです。


 この数字は、観光客が去年より安い宿に泊まったとか、宿泊数を減らしたという可能性もあるので、単純にホテル単価が17%下がった訳ではなさそうですが、それにしても、四捨五入すれば2割安という数字はちょっと驚きます。


 自分の経験ですが、ちょっと前に記事にもしましたが、お盆休みである8月16日土曜日に、一人で泊まれる宮古島周辺の宿を、それも7月下旬になってじゃらんで検索したところ、何と113件もヒットしました。

 やはり宮古島は宿余りだと感じるシーンでした。



 これも以前に記事にした話ですが、りゅうぎんリポートによれば、沖縄県全体でホテルが供給過剰(詳しくは、こちら。)らしいし、宮古島では今後水不足の恐れがある(詳しくは、こちら。)そうです。



 加えて、家賃の値上げや固定資産税の負担など、島人の生活にも悪影響を及ぼすとなれば、「何とかしろ」という声も大きくなっていくでしょう。



 経済には波があるという経験則を前提に、こうした状況を加味して考えれば、リゾート開発と円安による海外からの投資が牽引して、宮古島市の土地の価格が長期にわたって上昇し続ける」とはなかなか言い難いでしょう。

 本音では皆、「この道はいつか来た道」と感じ、どこかに潜んでいる時限爆弾がいつ爆発するか、怯えたり期待したりしているのではないかと思うのです。
 

 そうはなって欲しくない人達が、インバウンドという呪文を唱え続けているのだとも考えられませんか。
 




 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年9月13日土曜日

素直に絶景 宮古島東平安名崎・保良漁港2025




 まあ、色々問題はあるのですが、その景色が美しいことには変わりありません。

 宮古島の東平安名崎とお隣の保良(ぼら)漁港は、今年も変わらす綺麗でしたという報告になります。




 こちらは、東平安名崎から保良漁港へ向かって降りる途中の海です。これだけ見ていてもウットリするのですが。



 そして、保良漁港。漁港内は船が行き来するので、当然遊泳は禁止ですが、泳がないのがもったいないほど綺麗な海の色です。



 と思ったら、泳いでいる奴がいた。お分かりでしょうか。カメが泳いでいます。

 カメだって危ないから、こんなところには普通侵入しないはずですが、本当にカメが増えていることを実感します。



 ここが東平安名崎の車で行ける終点です。右に曲がると東平安名崎の駐車場、左に曲がって坂を下ると保良漁港です。

 保良漁港にも駐車場があります。



 こちらは、岬の東側の海です。



 岬から保良漁港を振り返る形で見下ろします。この時は逆光気味でしたが、美しい海が広がっていました。




 そしてこちらは、ポスターなどでお馴染みの東平安名崎の全景です。



 東平安名崎も保良漁港も、当ブログで以前に何度か紹介しています。

 色々面倒臭いこともありましたが、やっぱり絶景なんだなぁと改めて確認できたことは良かったと思います。



 東平安名崎の全景を見渡せる場所は、少し離れたところにあります。こちらもいい感じですよ。




(ここへの行き方については、昔書いたこちらの記事をご覧ください。)



 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年9月8日月曜日

絶景宮古島東平安名崎とかつての闇



 「光あるところに影がある」

 昭和の終わり頃には既に子供だったという人は、もしかして懐かしいと思っていただけたのではないかと思いますが、白土三平原作の忍者アニメ「サスケ」のオープニングです。


 ところが、「絶景あるところに闇がある」のが、宮古島なのです。




 宮古島の周辺の海では、以前から金にまつわる意地汚い話が度々聞こえてきました。

 下地島の中の島では、25年ほど前にライフジャケットを着けていない観光客に、半ば強制的に有料でライフジャケットを貸し付けていた輩がいました。

 中の島では、その後も何年かに一度くらいの間隔で、違法な商売をする人間が出没しています。


 来間島の長間浜では、路上に勝手に駐車場誘導標識を立て、それに沿って進むと私有地の有料駐車場だったという事がありました。


 池間島では以前、海岸に降りる道(私有地)で「協力金」を徴収していました。
 協力金と聞くと、何か自然保護にでも活用されるイメージを持ちますが、ここの「協力金」は地主のサイフに協力するのです。

 ちなみに、沖縄県では条例によって、海に続く通路で金を取ることは、喩え私有地でも禁止されています。


 ほかにもえげつない商売やら、既得権益の主張やらをする人間が後を絶ちません。
 このようなことは、今までは宮古島周辺だけで、本島は分かりませんが、石垣島などでは聞いたことがありませんでした。


 そんな闇の中でも特段強烈だったのが、東平安名崎で地元の自治会がやっていた”協力金徴収活動”でした。

 


 東平安名崎は、宮古島を代表する景観地の一つですが、コロナ禍の2021年末頃から、市有地の占用許可を得てプレハブ小屋が建ち、来場者から300円以上の「入場協力金」なるものが徴収されていました。


 そこでは幟が立てられ、「職員」が常駐し、「協力」を要請するのですが、実態は「ご協力をお願いします」ではなく「払わなければ入れない」に近いものだったといいます。

 そのことで市に苦情が殺到し、市議会でもその問題が取り上げられたというのだから、よほどの騒ぎだったのでしょう。



 市に建物設置のための占用許可申請をしたのは、地元の自治会でした。 

 協力金は、環境美化活動に用いられるという触れ込みでしたが、事業目的には地域住民の雇用維持が含まれていました。
 不審に思った人達が調べたところ、事業は委託され、委託先が徴収員を雇って集金し、協力金のほとんどが徴収員の人件費に消えていたとのことです。


 この「協力金」は、1年余で事実上中止になり、今ではその痕跡すらもありません。




 今更この記事を書こうと思い立ったのは、ふと、竹富町の訪問税も本質はこれと同じではないかと思ったからです。


 東平安名崎の環境美化に役立つならと思って払った協力金が、徴収員の給料に消えて行った vs オーバーツーリズム対策に役立つならと思って払った訪問税が、島民の生活向上のため消えて行った。



 「光あるところに影がある」
 「絶景あるところに闇がある」
「綺麗な海があるところに自然保護を口実に金集めができると思う奴がいる」


 そう考えると気が滅入ります。宮古島の闇が海を越えて、八重山まで到達してしまったのでしょうか。



 
 当ブログでは、竹富町の訪問税条例にしつこく反対していますが、オーバーツーリズム対策なら、使途をそれに限る目的税にしてください。 
 竹富町の一般財源として使いたければ、竹富町民を非課税にするのは不合理です。



 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

 

2025年9月3日水曜日

オリオンビールが株式上場でありっ!乾杯!

 


 来る9月25日、オリオンビール株式会社は、東京証券取引所プライム市場に上場されます。

 それがどうした?と言われると身も蓋もないのですが、証券取引所に株式を公開すれば、自社株の売買が容易になることで、資金調達が容易になります。
 また、知名度や信用度が向上することにも繋がります。


 ということよりも、沖縄の企業が遂にここまで成し遂げたという、立身出世ではないけれど、そういった象徴的意味合いが大きいのです。

 沖縄県の製造業では初めての株式上場だそうですが、そんなわけで、あのオリオンビールが上場するというのは、沖縄的大ニュースなのです。




 オリオンビールの創業は、アメリカ占領時代の1957年、生産開始は1959年でした。
 発売当初は、ドイツ風の濃厚なビールを造っていたそうですが、あまり売れず、アメリカ風の軽いビールを製造したところ、沖縄の高温多湿の風土に合ったのか、急激に売り上げを伸ばし、復帰前後には、県内シェアの9割を占めたそうです。


 今でも、沖縄県内では5割のシェアを誇ります。コンビニはともかく飲食店では、オリオンビール以外のビールを置いてある店は、未だ少数です。


 オリオンビールは、沖縄県内のほとんどのイベントに協賛又は後援するといわれる、JTA(日本トランスオーシャン航空)と並ぶ沖縄県を代表する企業なのです。

 

 
 もっとも、オリオンビールは、創業以来右肩上がりに業績を伸ばし遂に上場まで漕ぎ着けた、というわけではありません。

 むしろ反対で、本土復帰により、それまで輸入品扱いだった内地のビールが一気に浸透して苦戦を強いられます。

 オリオンビールのシェアは右肩下がり。2002年にはアサヒビールと提携するなどしましたが、切り札にはなりませんでした。



 オリオンビールは、沖縄にとって戦後復帰の象徴のような会社でした。

 沖縄の復興には製造業が必要だとの信念の下、実業家が中心となり設立され、その後も創業家が経営に関わる非上場企業でした。

 1990年頃までには創業家は経営から退いたのですが、その後も株式の約2割を創業家一族が保有しており、企業の大胆な改革のためには、創業家の株を買い取る必要があったのだとか。

 2019年に、野村ホールディングスとアメリカの投資ファンドのカーライルが、創業家などから株式を取得し、オリオンビールは両社の完全子会社となりました。

 野村とカーライルは、買収当初から、オリオンビールの企業価値を高めた上で上場を目指すとしていました。

 会社も新製品を次々と投入するなど期待に応え、遂にその日を迎えることになったのです。

 これにより、知名度の向上と、県外・海外への販売強化に期待がかかります。




 東証(東京証券取引所)プライム市場とは、「グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」なんだそうです(ワタクシにはよく分かりません。汗)。

 ちなみに、トヨタもソニーもプライム市場上場企業です。


 上場に伴い、オリオンビールの株式は一般の人でも購入できます。上場時の株の売り出し価格は1株770円だそうです。

 株主として飲むオリオンビールは、一段と美味いのでは?(まあ知らんけど)。
 
 株主優待として、オリオンTシャツがもらえるそうですが、条件としては千株以上の保有が必要です。



 それでは皆様、株式上場を祝って、いや、そんなの関係なくても「ありっ!乾杯!」




 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。