焼酎ブームという現象がありました。2000年代前半頃の話です。
魔王とか森伊蔵などの有名所の芋焼酎を筆頭に、一部の本格焼酎(乙類)にとんでもないプレミアがついた、まさしく焼酎バブルの時代です。
期せずして、そのバブルに参戦してしまった泡盛があります。
波照間酒造所の泡波です。
2005年頃の話。
島で数百円の3合瓶の泡波が、石垣島で4千円、那覇で1万円、東京だと2万円などと言われていました。。
銀座に今でもある沖縄料理店で、3合瓶19,800円というのを目撃したことがあります。
本当かどうかは分かりませんが、東京では、一升瓶10万円説もありました。
醸造元の波照間酒造には、「なんでこんなに高い値段で売るんだ」と苦情が来たこともあったそうですが、醸造元が高く売った訳ではなく、買った人が、勝手に高値を付けて転売しただけです。
もっとも、そのほかのプレミアム焼酎も、ほとんどは醸造元の販売価格とは関係なく、転売ヤー達が値段がつり上げただけです。
泡盛も米焼酎の一種ですが、泡盛自体はばかげた焼酎ブームに煽られることはなかったのですが、その中で唯一、泡波が高値を付けてしまいました。
原因は、ブームに便乗して、面白おかしく書いた旅行ガイド誌の影響と思われます。
「工場が小さいので生産量が少なくほとんど島内で消費されるため幻の泡盛と言われている。」
ほとんど島内で消費されていたことは事実ですが、幻ではありません。
「幻の泡盛。生産量が少なく島でも普段はあまり飲まないのでお祝い用にとっておくそう。民宿によってはひとなめサービスしてくれるところもある。」
に至っては、フェイクです。島の人は普通に呑んでいました。
泡波は島人の酒です。ところが、バブリィな値段になった泡波を観光客が必至に買い集め、島外に持ち出す。
そうするとリターナル瓶である3合瓶や一升瓶を回収できなくなる。酒造所にとっては、迷惑なブームでしかありませんでした。
そこで観光客向けに、持ち帰り用として100ml瓶の泡波を販売し、それを買いやすくするため、島の売店に置く。
そんな地道な努力もあって、泡波は、「幻の泡盛」から「ちょっと入手しづらい泡盛」に落ち着いて行ったのです。
泡波は新酒しかありません。製造量が少なく、古酒として保存しておく量が確保できないからだそうです。
しかし、泡盛は、瓶詰め後も熟成を続けます(詳しくはこちら)。
これは、勝手に古酒になった貴重な泡波コレクションです。100ml瓶ではありますが。
写真の左から古い順です。
並び順間違っていないかって?
間違ってはいないのです。左から17年.12年・16年・19年(ちょっと見にくいですが)と並んでいます。
以前は、元号で表記されていたので、一番左の瓶は平成17年、すなわち2005年詰めなのです。
まさに泡波バブルの真っ只中の時のものです。
3合瓶で19,800円だとすると、100ml瓶に換算すれば約3,700円。その20年古酒ですぞ 笑
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