2018年7月26日木曜日

ドキュメント 台風で宮古島行きは中止か決行か Ⅲ




 いよいよ最終決断を下さなければならない、7月11日になりました。
 帰る日は延ばせないので、これ以上出発を遅らせるわけにはいきません。

 朝5時30分起床。

 こんなに早く起きる必要はまったくないのですが、歳のせいで、いや、そうではなく、台風が気になって目が覚めてしまったのです。


 11日午前3時現在の台風8号は、まだ宮古島を風速15㍍以上の強風域内に巻き込んでいるものの、もう通過は時間の問題。


 沖縄電力のホームページを開くと、宮古島市の停電は、約6千世帯まで減っている。
 沖電凄げ~! 真夜中なのに、まだ結構な強風が吹いていたはずなのに、あっという間に数千世帯を通電させた。

 これから明るくなって、風も収まれば、停電の影響もあまり大きくならないかも。
 それにしても、沖縄電力の皆さま、本当にご苦労様です。

 
 飛行機はどうかというと、JTAの那覇・宮古便は、「運航に影響が見込まれる便(=手数料無しでもキャンセルを受け付ける)」に指定されているはいるけれど、「天候調査中」などの注記がまったくない。

 これは、遅延や多少の混乱はあるかも知れないけれど飛ぶ、ということだな。




 よし!行こう!(取り敢えず羽田まで)




 予約便の変更をしているため、羽田空港では、有人カウンターで手続をするように言われていました。

 カウンターで対応してくれたのは、「実習生」の名札を付けた若いおねーさん。
 斯く斯く然々で、と会員カード、変更前の航空引換書、変更のメールのコピーを手渡します。

 「はい分かりました」と、手際よく端末のキーボードを叩き始めます。

 パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ
 パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ

 いつまで経ってもキーボードを叩き続けてる。先輩が呼ばれ、何やらゴチャゴチャやり始めました。

 「まず変更前の航空券が使われていないか確認しなきゃダメでしょ。」「変更前の便は欠航になっていますから。」「変更した後、元の航空券を払い戻しているかも知れないでしょ。」「ハイ・・・」

 あの~全部聞こえてるんですけどぉ~

 パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ
 

 「お待たせして申し訳ありません。」(← 目が怒っているんですけど。)

 パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ パコパコパコパコ




 やれやれ。発券手続に15分もかかっちゃたよ。急いで保安検査を済ませないと、弁当を買っている時間が無くなっちゃう。

 
 あれっ?羽田空港で最終決断をするはずだったのに、流れで搭乗手続まで済ませてしまった。笑





 那覇空港到着は、予定より15分遅れの14:15。乗り継ぎの宮古行きは、もっと遅れて35分の遅発。

 でも、これは、台風の影響ではなく、毎度の那覇空港混雑のためでしょう。

 まだ、今日の宿泊先が決まっていないので、乗り継ぎの時間を利用して、ホテルに電話をしました。

 「部屋は空いておりますが、台風の影響で清掃が遅れています。18時以降のチェックインでよろしければ、お取りしておきますが。」

 


 宮古空港に到着後、レンタカーで出発したのは、午後4時近くになってからでした。
 天候は、曇り。風は思ったほど強くない。

 まずは、一廻りして様子を見ることに。大きな被害はないみたいだけれど、道路のあちらこちらに飛び散った木の葉や枝が散乱しています。
 
 この時間でもまだ1650世帯が停電中。


 午後5時頃。前浜では何と泳いでいる人がいました。気持ちは分かるけれど・・・修行ではないのだから・・・



 そして、翌7月12日朝。


 晴れた~

 




 今回は、たまたまラッキーだったのだと思います。

 これまでの経験では、台風で空港が閉鎖された日から3日目の午後にやっと晴れるか晴れないかといった程度。
 2日目は晴れたけれど、3日目以降は、台風から切り離されたような巨大な雲に再び覆われた、なんていうこともありました。

 今回は、強い台風でありながら、2目の朝から完璧に晴れました。これは、台風の速度が時速30㎞と速かったことに尽きると思います。

 一般には、沖縄に接近する台風の速度はもっと遅く、また沖縄付近で東方向に向きを変える場合は、そこで一時的に停滞します。

 今回勉強になったことは、台風の速度が速く、沖縄通過後も減速しなければ、沖縄にも内地のようなスッキリとした台風一過があるということ、そして、沖縄旅行の可否を判断するには、台風の進路、強さ・大きさに加えて、速度も重要な要素だということでした。



 迷いに迷った今回の宮古島行き。
 結果はオーライでしたが、この間かなりのエネルギーを消耗しました。一喜一憂どころか、十喜十憂。


 ま、こんなお祭り騒ぎも旅のうち、ということであれば、今回は大変充実した旅ということになりますが。笑


 なお、マンゴーに関しては、思ったとおり台風直撃前に収穫されたものが、島の駅に溢れていました。





2018年7月22日日曜日

ドキュメント 台風で宮古島行きは中止か決行か Ⅱ




 そして、いよいよ嵐の7月10日を迎えました。


 伊良部大橋など3橋は、午前3時から早くも交通規制です。


 さらに、宮古島市は、午前1時30分に、台風警戒のための避難準備情報を、午前6時30分には、全島民に対し避難勧告を発令。
 避難勧告とは、最近よく聞く言葉ですが、人的被害が高まった場合に、避難のため速やかにその場を立ち退くよう促すものです。

(宮古島市HPより)


 しかし、この避難勧告は謎。
 避難場所に指定されたのは、JTAドームと、後は役所の庁舎など。とてもじゃないけれど、5万5千人の島民が避難できるスペースはありません。

 聞いたところでは、島の人でも知らなかった人が多かったようで、豪雨被災地の避難勧告とは、どうもイメージが違う。

 しかし、今そこを突っ込でいる場合ではなかった。台風は、この間も刻々と宮古島に接近しています。



 航空機の運航状況はといえば、宮古空港・石垣空港は、この日は終日閉鎖。那覇空港では、ギリギリ台風の暴風域には入らないものの、台風の東側に当たるため、かなりの強風が吹き荒れたようです。

 そして、羽田発那覇行きの運航状況をみると、JALANAで対応が全然違うのです。

 JALは、朝の1便から欠航を決め、夕方16時過ぎの到着便から運航を再開し、その後臨時便も飛ばして対応したようです。 

JALのHPより)



 一方のANAは、昼過ぎ着の2便のみを欠航とし、他は運航とします。

 しかし、朝の第1便・第2便は予定どおり飛びましたが、第3便は、一旦飛んだ後、羽田空港に引き返し。

 第4便は、無事到着はしたものの、相当の遅延。恐らく那覇空港上空で旋回を繰り返しながら、着陸できるタイミングを計っていたのでしょう。無事着陸できるかヤキモキしながら、しかもその間、相当揺れたであろうこの便の乗客の皆さま、本当にお疲れ様です。

 その一方、第4便より後から出発した第5便は、途中第4便を追い抜き、予定時刻よりも20分も早く到着。一体どうなっているのやら。

ANAのHPより)


 それにしても、同じ空港を、同じような機材で運航する両社で、こうも対応が違うのにはビックリしてしまいます。

 もっとも、飛ぶには飛んだけど引き返したり、長時間上空で旋回したりするのもちょっとイヤなので、どっちの対応が良かったのかは難しいところです。



 午前9時を廻った辺りで、宮古島は、風速25㍍以上の暴風域に入ります。

 勢力は、当初の予報のような猛烈な台風からは少し後退したものの、それでも「非常に強い」935hPaで、北西に時速30㎞でばく進中。

 この時点では、台風の東側に当たる本島の方が風が強く、那覇市や南城市で風速30㍍を超える瞬間最大風速を記録しています。

 昼前、宮古島市内の一部で早くも停電が発生します。


 午後3時ジャスト、宮古島が台風の目に入りました。

(気象庁HPより)


 半径2~300㎞の巨大な雲を従え、広い太平洋を自由に進む台風の中心が、こんな小さな島を正時に通過するのは、まさに2階から目薬。

 しかも、米軍予想では、3日前にこれをドンピシャで当てていた。凄げ~! これは、まさにホールインワン賞!
JTWCのHPより)

※ グリニッジ標準時で表示されるため、日本時間は+9時間となります。


 台風の目に入ると青空が見えるとか、星空が見えるとか言われますが、本当に太陽が顔を出しました。
 宮古島は、今まさに台風のど真ん中です!
Hideki Matsuo さまFacebookより)


 台風の中心が、宮古島を通過したということは、残りあと半分。何とか無事通過してもらいたい。
 しかし、その考えは甘かった。

 反時計回りに渦を巻く台風(低気圧)は、中心の南東方向の方が風雨が強まる傾向にあります。
 台風8号は、北西に進んでいるところなので、中心が通過した後の南風の方がむしろ怖いのです。

 
 Facebookで友達になっている宮古島の人達が、次々に動画をアップします。

 電線が縄跳びの縄のよう。あれが切れたら停電か?

 見たことのある物置のトタン屋根が、今にも飛びそう。あれが生身の人間に当たったら即死でっせ。

 豪雨と強風のため、窓枠の隙間から雨が部屋に染みこんでくる。


 コメントを寄せる人も、皆、合い言葉のように「あと少し」「もう少し」を繰り返しています。

 まだ内地にいる自分も、思わず肩に力が入ります。「あと少し」「あと少し」「あと少し」・・・



 夜9時。宮古島は、あとわずかで暴風域を抜けるところ。

 でも市内では、ドンドン停電箇所が増えて行きます。
 夜11時頃、停電箇所は、市内約26,000世帯のうち、11,500世帯にまで達しました。



 島民が水や食料を買い求めたコンビニの商品棚は、豪雨災害で報道される、被災地のスーパーと同じような状況になってしまいました。



2018年7月18日水曜日

ドキュメント 台風で宮古島行きは中止か決行か Ⅰ



 平成30年7月10日、宮古島行きを予定していました。

 予約していた航空券は、羽田発那覇乗り継ぎで、那覇空港に13:25着、那覇空港出発は14:00の便です。

 ところが・・・
(気象庁HPより)


 まるで、自分の沖縄旅行を狙い撃ちにしたかのような台風8号の進路。
 強い台風なら、中心から半径200㎞位が暴風圏。コースもスピードも見事なほどにドンピシャ!

 マジかよ~ 絶体絶命じゃん。




 迷いに迷った今回の宮古島行き。
 台風の進路予報発表から、当日までのドタバタ記を、ドキュメントとしてまとめてみました。何か参考になることがあれば、幸いです。


 でも、この時点ではまだ楽観していました。
 日々の天気予報でさえ当たらないのに、難しいといわれる台風の進路予報が、ピタッと当たるわけはない。むしろ、今がこれなら、この先ドンドンずれて行くのではないか、特に根拠もなくそう思っていました。


 ところが、3日前になっても、予報の進路は少ししか変わらず、いや、むしろ悪い方向に。本島直撃コースから、宮古直撃コースに。


 追い打ちをかけるように、米軍の予想進路も宮古直撃コース!

JTWCHPより)


 しかも、予報では、沖縄接近時に915hPa、中心付近の最大風速55㍍と、平成15年の14号台風に匹敵する猛烈な台風に発達するとか。

 14号台風とは、自衛隊分屯地で、参考記録ながら最大瞬間風速86.6㍍が観測され、船が道路に転がり車が海を浮いているという壮絶な台風でした。

 ちなみに、この場合の風速とは秒速であって、86.6㍍/秒を、時速に換算すれば311.76㎞。


 こんな状況のためか、航空会社の動きも速く、7日時点で、出発の3日も前なのに、手数料なしでのキャンセルか便の変更を受け付けるとのメールが。
 こういうことは、普通は、前日にならなければ決められないはず。
 航空会社的にも、今回の台風8号は、”よっぽど”なのでしょう

 11日の便は飛ぶのか尋ねたところ、「今のところは」という返事だったので、11日の同じ時刻の便に振り替えてもらいました。
 10日宿泊予定の民宿をキャンセルし、取り敢えず問題を先送りすることに。



 ところが、翌8日の夜になって、今度は11日宿泊予定の民宿から、「当日の宿泊は無理」との連絡が。

 15年前の14号台風の時の状況からすれば、今回も、10日はもちろん、11日も停電は必至である、他の客も既にキャンセルしている、もしそれでも宮古島に来るならば、当日停電していない市街地のホテルを探した方がいい、とのこと。


 そぉすか~
 そりゃちょっとマズイ。飛行機のことだけしか考えていなかったけれど、これはかなりのピンチだ。

 それに、行けたとしても、天候はしばらく回復しないよな~
 今までの経験上、沖縄に台風が接近すると、空港が閉鎖になった日から3日目位までは風が強く、島は雲に覆われるのです。

 だんだん、「今回は無理かな」モードに。
 でも、いざとなるとスッパリと諦めきれない自分。

 今回の台風は、いつもより速度が速いから、もしかしたら、晴れるのも早いかな~
 それに、マンゴーは今が最盛期。台風前に急いで収穫したマンゴーが、安値で出回っているかも。

 むむむむ。悩む!
 翌日朝10時頃に発表される、9日9時現在の台風情報を確認してから、最終決断をしようと、さらに問題を先送りに。




 その9日9時現在の予報では、台風8号は、10日の直撃はもはや避けられないものの、翌11日朝には台湾の北まで進むことになっている。
 台風の速度も当初の予報より速く、また、接近時の最大風速も55㍍から50㍍にわずかながらダウン。


 こうなると、 やっぱり行きたいよな~
 過去、強い台風の直後に2度ほど八重山に行っちゃったことがあるけど、何事もなかったように観光できちゃったしなぁ~


 いつもお世話になっている、宮古島のあの人に相談のメールを送ると、

 「次に計画したとしても、また台風が来ることもあるし、計画通り実行で大丈夫なのでは?」とのお返事。

 うん。そうそう。

 確かに、豪雨被災地のような場所に物見遊山で行くのは非常識。でも、そうなるかどうかは、台風が通過してみないと分からないのだから、もう少し様子を見るか。

 そこで、翌10日の台風による被害状況などを見極めて最終の最終決断をしようと、またまた問題を先送りすることに。