2025年1月30日木曜日

宮古・八重山島旅ガイド 今時の航空運賃と宿代

 

 旅ガイドと銘打った以上、旅行費用について触れない訳にはいかないのですが、沖縄に限りませんが、旅行費用について一般的な記事を書くのはとても難しいのです。

 状況がどんどん変わるので、情報がすぐに陳腐化してしまうからです。

 そこで今回は、宮古・八重山旅行の費用の大部分を占める航空運賃とホテル代に関して、その仕組みと最近の状況に触れ、別記事で、当ブログ流の旅行費用節約術をお伝えしようと思います。

 


 沖縄旅行の費用は、GWやお盆休み、9月の連休などが高く、6月と9月以降の平日が安いと一般的には言えます。

 しかし、近年、ネット販売が主流になったこともあって、ダイナミックプライシングを導入する企業が増え、ただでさえ不透明な航空運賃やホテル代金が益々分かり難くなりました。

 ダイナミックプライシングとは、商品やサービスの価格を需要と供給に応じて変動させることです。
 日本語にすれば、変動価格制です。


 ダイナミックプライシングを積極的に取り入れているのは、ネット販売のホテルと、航空券とホテルが一体となったダイナミックパッケージです。

 ダイナミックパッケージとは、航空会社や大手旅行会社が運営するもので、購入者はネットで、日付け、行く先、宿泊先などを入力すると、空席のある便やホテルが表示されるので、そこから選択することになるのですが、同じ日でも、便やホテルによって価格が大きく異なります。


 そして、これがダイナミックプライシングの最大の特徴なのですが、途中で値段がコロコロ変わるのです。

 それは胴元が、航空券やホテルの売れ行き状況を見ながら随時価格を変更するためです。
 操作中であっても途中で、「この価格での販売は終了しました。新しい価格はこちらをクリックしてください。」といったメッセージが出ることがあるほどです。

 これにより高くなることも安くなることもあるのですが、最終的に購入確定をクリックするまでは呈示された価格が保証されない、本当にダイナミックな販売方法です。


 航空会社のダイナミックパッケージでは、乗客を平準化するため、同じ日でも空席の多い便と少ない便とで数千円もの差を付けることが珍しくありません。

 要するに、あちらさんの都合で高くなったり安くなったりするわけです。


 ただ、それで購入者がラッキー ♪ ということになる可能性もあります。

 特に、急に休みが取れることになったが、既に航空券の早割の期間は終わっていた、なんていう場合には、航空会社のサイトからのダイナミックパッケージによって、活路が開けるかも知れません。

 パッケージで扱っていないホテルに泊まりたい場合でも、滞在中の全てのホテルをここで購入する必要はなく、往復航空券と最低ホテル1泊を組み合わせて予約すればいいので、1泊4日のような予約も可能です。




 ホテル単体でも、ダイナミックプライシングを始めるところが増えてきました。

 特に全国チェーンのビジネスホテル系でこの傾向が顕著です。旅行会社のサイトで売る分に限ってダイナミックプライシングを採用するところもあります。

 近時、AIを用いて分単位で価格が変動することも珍しくないとかで、ちょっと恐怖を感じます。

 都心部では、価格の幅が3倍くらいになるところもあるそうですが、石垣島、宮古島に関しては、まだそこまで極端なことにはなっていなさそうです。

 ビジネス利用が少ないことと、場所柄直前になって急遽予約する人が少ないからでしょう。


 リゾートホテルに関しては、極端な変動価格は取りにくいためか、おとなしめです。

 1泊10万円と言っておいて、こっそり5万円で売ったなどということは、ホテルの格やプライドからやりにくいからかも知れません。


 個人宿などを中心に、どんな場合でも表示価格どおりというところもまだまだ残っていて、ちょっと安心します。



 航空券単体では、それほどダイナミックプライシングの影響はありません。

 諸物価高騰の折り、有り難いことに、航空券に関しては安く買える機会が増えています。それも、JAL・ANAの大手がです。

 航空券は、早く買えば安くなるのはご存じの通りですが、JALもANAも今のところ75日前までの購入が一番安いことになります。

 時期によっては当日運賃の3分の1から4分の1になることすらあります。


 ダイナミックプライシング的なものとしては、期間限定の安売り(安マイル交換)が行われ、更に安く買えることがあります。

 昨年は、羽田・宮古、羽田・石垣直行便が、1万円~という、下手すりゃLCCよりも安いかもという価格も出ていました。

 ただ、突発的に発表になり、販売期間も短いので、即断即決しなければならないというデメリットがあります。


 一方、LCCはどうでしょう。
 
 価格的にはLCCの優位性はあるものの、少なくとも夏の沖縄に関してはギャンブル的要素もあります。台風です。

 台風で航空便が欠航した場合、別の日の便に振り替えてもらえますが、便数の少ないLCCの場合、都合良く欠航の翌日の便に振り替えてもらえる可能性が低いのです。
 振り替えを待っていたら、何日も後になる可能性があります。

 その点大手であれば、便数も多いし、場合によっては臨時便も飛ぶので、運航開始後の早めの便に変更してもらえる可能性が高いのです。


 そうすると、LCCのチケットをもって沖縄に行き、台風で帰りの予約便が欠航した場合、最悪それをキャンセル(手数料は無料ですが)して大手の普通運賃で帰らなければなりません。
 そういう目に遭った人を、自分は3組知っています。

 参考までに、ANAの羽田・石垣便の運賃は、前日購入で69,340円、当日購入で77,470円です(R7・1月現在)。


 LCCで旅行費用を節約という記事も見かけますが、本当に沖縄に行ったことがあるのでしょうか。

 LCCは止めた方がいいとまでは言いませんが、LCCで沖縄に行く予定の人は、台風の動向に細心の注意を払い、もし帰りの便が飛ばなかった場合どうするのか、場合によっては旅行そのものを中止するといった決断も必要でしょう。

 


 ということで、近年、旅行費用が安いの高いのと単純には言えない状況になっています。

 一方、運が良ければ、オンシーズンでもリーズナブルに宮古・八重山に行けるのです。

 その運を呼び込むためには、こまめに検索をすることです。そんなの面倒くさいという人は、そういう人とお友達になること。笑

 

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2025年1月26日日曜日

沖縄で出会ったファンタスティックな人達 Ⅱ

 


 10月上旬のある日、黒島の民宿では、珍しく全員ひとり旅の客7人が夕食の食卓を囲みました。連泊の人5人に、その日にチェックインした人が2人。
 
 連泊組のうちの1人は、一旦チェックアウトし、波照間島に渡るべく船に乗り込んだところ、何とエンジントラブルで石垣港に引き返すというアクシデントがあり、夕方になって急遽黒島にもう1泊することになったという、凄いハプニングに見舞われたのです。

 期せずしてゆんたくの席に格好のネタを持ち込んだ形となり、場は大盛り上がりでした。


 そんな中、その日チェックインした女子は、あまり皆とおしゃべりすることもなく、食事が終わってそそくさと部屋に戻ってしまいました。

 元々全員初対面なわけですが、旅慣れた人もいて、初参加の人にそれなりに気を遣ってはいたのですが、無理に引き留める訳にもいかず、まあ仕方ないね、ということで残ったメンバーでゆんたくを続けます。


 小1時間ほどすると、件の彼女が宴席に戻って来て、自分も参加していいですかと。

 聞けば、沖縄に来たのも民宿に泊まったのも初めてで、こんな風に知らない人同士が盛り上がるなんて想像していなかったけど、楽しそうだから加わりたくなったとか。

 正直この言葉は嬉しく、宿の宴会終了時間(のはずの)11時を超えてもまだ話に花が咲きまくり。
 

 翌日、これまた珍しいことに、彼女以外は全員がこの日でチェックアウト。

 たまたま午後の便で石垣島に渡る予定の自分が、黒島初めての彼女を半日ほど自転車で案内することになりました。

 関心事は当然、初めての沖縄でよく思い切って黒島まで来たよね、ということになるのですが、そこに至るには複雑ないきさつがあったのです。




 年齢は聞いていませんが、アラサーくらいの見た目です。あまり目立たない地味な人という印象でした。
 キャラ的にも、特別明るくもなく、かといって暗くもない、普通の人という感じです。


 実は、彼女は、大学卒業後就職するもすぐに辞めてしまい、いわゆる引きこもりになってしまったのだそうです。
 詳しくは聞いていませんが、若い女性にありがちなことが、こじれてしまったのが原因なのかもしれません。

 長い間家にこもって何もしなかったと言っていましたが、20代という人生の輝かしい時期に何もできなかったというのは、さぞ辛い経験だったことでしょう。

 家族や友人の支えもあって、徐々に回復期へと向かいますが、そんな折り、彼女は自身を荒療治へと追い込みます。

 何と一人でピースボートの船に乗って、世界一周の旅に出たのです。


 ピースボートクルーズは、国際交流を目的として世界一周の船旅をするもので、単なる観光旅行とは違います。寄港先の国では、必ず交流パーティーが開かれるそうです。

 政治的意味合いから一歩引く人もいますが、実際には、スイートルームに泊まるお金持ちから、キャビンのような部屋に寝泊まりし、労働奉仕を条件に格安で乗る人まで様々な人達が一堂に会する、不思議な空間なんだそうです。

 主催は日本ですが、外国人も多く、老若男女、Ladies & Gentlemanからパリピな人まで、文字どおりの十人十色だったようです。
 
 中には男女の仲になる若い人達がいるなど、何をしても、何もしなくても全て受け入れられるという、国内とは違う自由社会がそこにはありました。

 ラウンジには、酔い止め薬が山のように積んであって、酔い止めバー状態だというエピソードは面白かったですね。


 自分は、船の中でも引きこもっていたと笑っていましたが、敢えて特別な空間に身を置いたことで、長年の苦しみから脱却するきっかけを掴んだようです。
 
 世界一周の話をするときの彼女は、本当に楽しそうでした。

 


 引きこもりとは、病名ではなく、そういう状態を指す言葉です。原因は様々であって、原因を追及してもあまり意味はないとされています。

 引きこもることで精神が病んでしまうことも多いそうですが、彼女の場合、自ら思い切った決断をしたことで、苦境を脱しました。

 ただ、「たまたま自分はそうだっただけで、必ずしも頑張ればいいというわけではない。」という本人の言葉を、ここで書かせてもらいます。



 その後、都内の会社に就職し、普通にサラリーマン生活を送っていましたが、短い間に目まぐるしい環境変化を経験して、少し疲れたため、休暇を取って癒しの旅に出ようと思ったそうです。

 そのとき知人からの「ノンビリするなら沖縄の黒島に行って民宿に泊まるといい」とアドバイスを受けて、人生初沖縄が黒島になったという顛末でした。



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2025年1月21日火曜日

沖縄で出会ったファンタスティックな人達 Ⅰ




 竹富島で出会った彼女は、スレンダーでちょっと見華奢で知的な印象でした。

 黒のパンツスーツを着て、東海道新幹線で日経新聞でも読んでそうなイメージです。
 ところが彼女は、32歳の若さにして、国内の主だった山を制覇し、海外の6千メートル級の山にも登ったことがあると聞いてびっくり。

 しかし、これはホンの前座にすぎず、自分には想像もつかない壮絶なキャリアの持ち主だったのです。


 沖縄で出会ったファンタスティックな人達。今回は、このテーマで書いていきます。




 彼女は、地方の進学校に通う高校生でした。

 母と姉との3人暮らしでしたが、姉は高校卒業と同時に都会に出て、以降は母と2人暮らしになります。

 程なくして、後に継父となる男性がしばしば家に遊びに来るようになります。十代の多感な少女はそのことに嫌気が差し、学校から帰宅後、居酒屋でバイトをする生活を始めました。

 高校生が居酒屋?と思いますが、本人は、田舎だから皆やってたと笑っていました。


 そして高校卒業後、就職も進学もせず、バイトで貯めた金で中古車を買って家を出ます。

 行く先々で仕事を探しながら、日本を一周するという、壮大なプランでした。

 仕事をして金が貯まったら次の場所に行くという生活を繰り返し、何と6年かけてゴールとなる北海道に辿り着いたといいます。

 6年間で1回だけ実家に帰ったそうです。場所によっては本当に仕事がなくて、食べるものがなかった、栄養失調になると目がかすんでくる、とは本人の談です。


 若い女の子がこんなことをしているわけですから、当然よからぬ考えで近寄ってくる人間もいたことでしょう。素敵な出会いもありましたが、面倒なこともあったようです。

 あまり詳しくは聞けませんでしたが、当時付き合っていた彼氏のこと、金のこと、地方独特の人間関係のこと、健康のことなど、様々な、という陳腐な言葉では語り尽くせないほどの経験をしたようです。

 危ない目に遭いかけたことも一度や二度ではなかったと思いますが、それでも彼女は、日本中に友達ができたと明るく語ります。


 日本一周を終え、一番役に立つ資格は看護師だと悟り、働きながら看護師の免許を取得します。

 その後も特定の病院に長く勤めることはなく、相変わらず宵越しの金は持たない的な生活をしていたそうです。

 看護師の資格があれば、何処でも就職できるけれど、一流と言われる病院はキャリアを重視するから、自分には無理だという話をしていました。


 その傍ら、慈善団体の医療チームに同行して海を渡り、ヒジャブを被らなければならない国や、シャワーが水滴程度にしか出てこない国で、ほぼボランティアの医療活動にも従事します。

 ある種の国では、宗教上の教義から女が酒を飲むことが許されず、1月以上勤めてから都市部にある外国人専用のバーに駆け込んで、久々に飲んだ酒がとても美味かったとか、食べるものがまったくなくなったとき、住民が木に登って椰子の実とバナナを採ってきてくれたといったエピソードも語ってくれました。




 知り合ったのは竹富島でした。この時も僅かな金と金券ショップで買った航空会社の株主優待券を握りしめた、予定のない旅の途中だとか。

 竹富島に来たのは、今まで車で日本を回ってきたから、今度は車で行けない島に行こうと思ったからだそうです。

 
 32歳の若さで、こんなに色々な経験をしたなんて俄には信じられないのですが、彼女から聞く話は、一つ一つがリアルであり具体的であって、受け入れざるを得ない迫力のようなものを感じるのです。

 一流大学卒とか海外留学経験などといった肩書きなど、彼女のキャリアに比べるとかすんでしまいそうです。

 柔軟な思考力、強靱な肉体と精神力、頑張りがあったからこそのある種の偉業です。

 華奢でスレンダーな外見なのに、何処にそんなパワーが潜んでいるのかと、驚くばかりです。




 一つ後悔していることがあります。「高校を卒業して家を出るときに、お母さんは反対しなかったの?」なんて不用意に聞いてしまったのです。

 「いってらっしゃい~と明るく送り出してくれたよ。」「いいお母さんだね。」


 本当に間抜けな会話をしてしまいました。

 高卒の女の子が、何故就職も進学もせず家を出たのか、その時の母と娘の気持ちはいかばりか、そのことにまったく想像力が及ばなかったのです。

 自分は彼女より年齢だけはずっと上ですが、まだまだ未熟者でした。





 沖縄に行って、民宿やゲストハウスに泊まると、年齢や性別、仕事や地域を越えて数多くの人と出会います。
 その中には、本当に凄い、ファンタスティックでマーベラスな生き方をしてきた人がいました。


 沖縄で出会っただけで、沖縄とはあまり関係ない話になるので、ブログ記事にするべきか悩んでいたのですが、やはり書くことにしました。

 今後も不定期で何回か続けていきたいと思います。




 アドレスを交換し、しばらくはメールのやり取りしていましたが、その後音信不通となってしまいました。

 スーパーキャリアウーマンは、今何処にいて、どんな人生を歩んでいるのでしょうか。

 

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