2016年5月31日火曜日
南大東空港 ワンダーランドの入口は癒やし系だった
海を背景にした広い敷地に、小型機がポツン。
南大東島にある、南大東空港です。
南大東島=南大東村の生命線ともいえる、那覇からの航空便の到着。でも、この空港が賑わうのは、1日2回だけです。
空港に到着して、預けていた手荷物を待ちます。
奥のシャッターが、ガラガラと大きな音を立てて開くと、
おじさんが、手で運んで来た。
なんか、いいっすねぇ~。空港特有の緊張感というか、殺伐とした雰囲気がありません。鉄道ローカル線の駅みたい。
チェックインカウンター、というより、搭乗手続きの窓口。
懐かしい体重計が。
体重を量る訳じゃありませんよ。これは、持ち込み荷物の重量を量るためのもの。
多少の誤差は目をつぶる、的な感じでよいですなあ。
搭乗口です。
もちろん、ボーディングブリッジなんていう、お金のかかる設備はありません。飛行機まで、歩いて行きます。
チェックインも、手荷物検査も、機内への誘導も、貨物の搬入も、恒例の出発時のお見送りも、同じメンバー。全部で3人位かな、が入れ替わり立ち替わり。
でもまあ、1日2回のことですから。
貨物の積み込みも、普通のトラックで。
南大東空港(旧空港)は、元々日本軍の飛行場として建設されました。
復帰直前の1970年に、民間機の定期路線が開設され、国産機YS-11が就航しました。
滑走路は、1200メートルとされていましたが、これは、アメリカの規格で、日本の航空法の基準にあてはめると、実は、800メートルしか有効長がないことが判明。
より小型のDHC-6(愛称「ツインオッター」)という機材に変更されたのですが、この飛行機は、定員が19人で、しかも、那覇空港で往復分の燃料を積んで重くなっているため(南大東空港で給油できないので)、那覇発の便には14人程度しか乗ることができませんでした。
しかも、DHC-6は有視界飛行のため、航路の天候が悪いと欠航します。当時、南大東島行きの航空券の入手は、もの凄く大変だったそうです。
なお、オッターというのは、カワウソの意味です。
1997年に現空港が開港し、39人乗りのDHC-8が就航しましたが、同じ理由で、那覇発の便の定員は33名です。
こちらが、旧空港のターミナル。
北大東島にも空港があります。
那覇と南大東島を結ぶ空路は、1日2便ですが、午前の便は、那覇・南大東島の単純往復、午後の便は、北大東空港に立ち寄ってから南大東空港に到着(若しくは逆順)します。
南大東空港と北大東空港の間は、約12㎞。
日本一短い空路です。
しかし、この間の普通運賃は、8500円。おそらく、キロ単価の航空運賃日本一でしょう。
ちなみに、この区間の搭乗で、8マイル貯まります。
4月下旬の某日、何かと衝撃的で、笑劇的だった南大東島を、まさに後ろ髪を引かれる思いで後にしました。
飛行機の窓からは、在所という島一番の集落と、サトウキビ畑、そして背景には紺碧の海が見渡せます。
窓際をよく見ると、
わっ!何故にこんな所にハエが?
那覇まで行っちゃうんだけれど、大丈夫なの?
どうせほかの飛行機は来ないんだし、そこら辺に適当に駐めとけばいいじゃん。
とか思うのですが、そうはいかんのでしょうな。
ワンダーランド、南大東島の入り口は、何とものどかで、のほほんとした、癒やし系空港でした。
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