2019年1月16日水曜日

オタクな沖縄旅行者向け現代(島)用語の基礎知識 Ⅱ



 自称沖縄通がドヤ顔でしゃべる用語、よく耳にするけれど、標準語とはビミョーに違う意味やニュアンスの用語などを解説する、オタクな沖縄旅行者向け、現代(島)用語の基礎知識、その2です。

 注意事項については、その1をご覧ください。


(普通はこんなに綺麗に盛られていることはなく、ただ、ドテッと置かれている。)


【サ行】

さしみ(刺身)
 魚貝類を、生のまま薄く小さく切り、醤油・わさび、コーレグースなどをつけて食べる沖縄の郷土料理。
 「だから刺身でしょ?」と思われるかも知れないが、そのとおり刺身である。

 しかし、沖縄では、刺身にかける意気込みが違う。民宿の夕食では、極めて高い確率で刺身が出されるし、急な宿泊予約に対しては、刺身が足りないというだけの理由で、断られたりもする。
 魚屋ではなく、刺身だけを売る「刺身店」も多い。主力商品は、マグロとカツオである。

 かくして、沖縄最強の郷土料理は、ゴーヤーチャンプルーでもソーキそばでもなく、マグロやカツオの刺身ではないかと、当ブログでは分析している。


しま(島)
 島といっても、islandではなく、島酒=泡盛のこと。[例]「もう一杯ビールいきますか。それとも島にしますか。」

 なお、奄美大島では、島は黒糖焼酎のことなので注意を要する。





しゅのーけりんぐ(シュノーケリング)
 英会話学習中の人が、”I enjoyed snorkeling yesterday.”と言ったら、アメリカ人の先生は「ホワッツ?」だったりして、こっちは「ホワイ?」なことに。

 沖縄で、シュノーケリングといえば、「ダイビングじゃないアレ」みたいな感じで、何となく伝わるが、英語圏ではあまり使われない単語のようである。

 Schnorchel(独)とは、第二次世界大戦中に開発された、ドイツの潜水艦(Uボート)が潜行中に使う吸排気用の筒のこと。
 Schnorchelがアメリカに伝わりsnorkelとなリ、snorkelを使って呼吸をしながら泳ぐ様を潜行中の潜水艦に喩えて、動名詞のSnorkelingという単語が生まれたとされる。なかなかしゃれたネーミングであり、日本語だと、差し詰め水遁の術か。

 なお、Snorkelingは、Google翻訳にも登場するので、認知された英単語ではあると思うが、英語で話すならばSkin divingの方が通じやすい。

 ところで、「シュノーケリング」は、ドイツ語の英語読みで、正しくは「スノーケリング」だという人もいるが、ごもっともではあるが、Smartphoneの略だから「スマホ」じゃなくて「スマフォ」だろ、と言うようなもんで、まあ、どっちでもいいじゃないすか。


しょっぷ(ショップ)
 商店ではなく、ダイビングショップ、マリンショップのこと。

 転じて、島でダイビング、シュノーケリング、カヤック、釣りなど、準スポーツ的水系の遊びを催行する店や個人全般を指す便利な言葉。




そーきそば(ソーキそば)
 沖縄にあまり詳しくない人が食べてみたいと言う、沖縄の郷土料理。[例]「沖縄行ってみたいです~。ソーキそば食べたいです~。」

 ソーキとは、沖縄の方言であばら骨のことであり、一般には、骨付きの豚肉を指す言葉として使われている。しかし、そばの具材としては、三枚肉の方が圧倒的に多く、ソーキそばを置いていないそば屋も少なくない。

 それにも拘わらず、沖縄ではソーキそばを日常的に食べていると信じられているのは、予算の少ないガイド本の出版社が、沖縄のことをあまり知らないライターを起用しているためではないかと、当ブログでは分析している。


【タ行】

ちゃんぷるー(チャンプルー) 
 チャンプルとも言う。混ぜこぜの意味で、ちゃんぽんの沖縄読みとされる。

 チャンプルーは、炒め物のことと誤解されやすいが、料理のチャンプルーは、色々な食材が混ざったものをいう。
 例えばゴーヤチャンプルーは、ゴーヤのほか、ポーク、豆腐、卵、麩、タマネギ、モヤシなどを一緒に炒めたものだが、炒めたからチャンプルーなのではなく、色々混ざっているからチャンプルーなのである。

 なお、炒め物のことは、イリチー(炒りちー)という。




てーげー(テーゲー)
 おおらか、いい加減、適当といった意味の沖縄県民気質。大概が訛ったものだとされる。
 
 元々は、圧政や自然災害に苦しめられた島人達の、細かいことは一々気にしないという生き様から来ているようだが、時間を守らない、約束を忘れるといった、困った面のみが強調されるて伝わることが多い。

 なお、島人に言わせると、時間を守らないのではなく、時間は守っているがその時間の幅が広いだけだというのだが、簡単に納得してしまわぬよう、注意を要する。


てんぷら(天ぷら) 
 芋、イカ、白身魚などに、厚く衣を塗して揚げた、沖縄の郷土料理。

 内地の天ぷらは、サクッと揚がるように、衣は小麦粉を冷水でササッと溶いただけで塗すが、沖縄の天ぷらは、小麦粉を粘りけが出るまでしっかりかき混ぜてから塗す。衣に塩味を付けるのも特徴である。

 そのせいか、天ぷらをおやつやスナック菓子代わりに食べることが多い。ケンタキーフライドチキンをご飯のおかずとして食べることとは好対照である。

 沖縄で天ぷら屋といえば、天丼や天ぷら定食を食べさせる飲食店ではなく、総菜として天ぷらを売る販売店である。価格も驚くほど安い。




【ナ行】

なんくるないさ
 なんとかなるさ、どうにかなるさと言う意味の、沖縄県民の価値観。

 テーゲー沖縄の象徴のように思われているが、圧政や自然災害に苦しめられた島人達が、「なんくるないさ~」と歯を食いしばったという歴史から生まれたとされ、フランス語のQue Sera, Sera(ケ・セラ・セラ)よりは重いニュアンスを含む。

 このことは、BEGINのヒット曲「オジー自慢のオリオンビール」の歌詞の一節、「♪ 金がないなら海にが行くさ 魚があれば生きられる なんくるないさ~やってみれ」にも垣間見られる。

 したがって、内地の若い人が、「沖縄に移住します。仕事とか、住む所とかまだ決まっていないけれど、なんくるないさ~。」というのは、誤用である。







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