2019年1月21日月曜日

オタクな沖縄旅行者向け現代(島)用語の基礎知識 Ⅲ



 自称沖縄通がドヤ顔でしゃべる用語、よく耳にするけれど、標準語とはビミョーに違う意味やニュアンスの用語などを解説する、オタクな沖縄旅行者向け、現代(島)用語の基礎知識、その3、最終回です。

 注意事項については、その1をご覧ください。




【ハ行】

ぱり(パリ)
 宮古島の方言で、畑を意味する。ただ、それだけのことなのだが、華の都のパリ(Paris)と同音語であるため、「パリに行く」とか、「パリ帰りだ」などと、オヤジギャグ級の気の効いたジョークをかまされることがあるので、注意を要する。

 なお、石垣島では、畑のことを「ハル」というので、このような問題は生じない。


へるぱー(ヘルパー)
 民宿などに無償又は低額の謝礼をもらって泊まる代わりに、手伝いをする人。居候ともいう。沖縄以外では、あまり例がないそうである。

 これが労働とみなされると、労働基準法違反となるので、なかなか、ビミョーな立場ではある。
 そのヘルパーも、最近は、少子化や人手不足のため、沖縄的純ヘルパーは激減し、賃金を受け取るアルバイト労働者が、ヘルパーと呼ばれることも多くなったが、それはそれで寂しいものである。

 一方、宿に客として泊まり、宿泊料も払っていながら、進んで宿の手伝いをする、不思議な常連さんも少なからず存在する。

 

ぽーく(ポーク)
 豚ミンチ肉に調味料や香辛料などを加え、型に詰めて加熱した食品。ランチョンミート。沖縄でポークと言えば、豚肉全般のことではなく、ポークランチョンミートを指す。

 占領時代にアメリカから伝わったものだが、完全に定着した。スパム(SPAM)という商品名で語られることすらある。

 アメリカ産ポークは、製造過程で脂身をたっぶり使用しており、それをさらに油で炒めたりするのだから、見かけ以上にカロリーたっぷりである。
 だからなのか、「わしたポーク」という、脂身の少ない沖縄産の商品も売られている。


【マ行】

まんぐろーぶ(マングローブ)
 「マングローブという木はありません。海岸や海水の浸入する河口に生える木の総称です。」という話を、ツアーに参加する度にガイドから聞かされる、沖縄リピーターにとっては面倒な植物。

 さらにガイドによる攻撃は、「オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ・・・」「1箇所葉っぱが黄色くなっているのにお気付きですか。」「ちょっとかじってみてください。」と容赦なく続く。

 これは、ガイドによるマングローブハラスメント、「ガイハラ」「マンハラ」ではないかと、当ブログでは分析している。

 
(これは、沖縄としてはかなり上品な味噌汁である。)

みそしる(味噌汁)
 どんぶりに、ポーク、豆腐、各種野菜、卵などが味噌汁と共に入っている沖縄の郷土料理。みそじるともいう。

 具沢山でカロリーも高い。特に、沖縄初心者は、味噌汁を食べようとしたら、中からポークが出てくることに、軽いカルチャーショックを受けるかも知れないので、食べるときに注意を要する。

 食堂で、メニューに「味噌汁」としか書いていない場合でも、これは、ご飯などの付いた味噌汁定食である場合がほとんどである。


みるくしん(ミルク神)
 牛乳の神様ではない。ニライカナイから、五穀の種を持って現れる豊穣の神様である。ミルクとは弥勒のことである。

 実在の人物である布袋様は弥勒菩薩の化身だと考える、弥勒信仰が、ベトナム経由で伝わったとされる。
 そのせいか、あのアルカイックスマイルの端正な弥勒菩薩とは異なり、かなり、その、何と言うか、大胆な感じのルックスである。

 八重山では、ほとんどの島、地域で豊年祭などの神事に登場するが、本島地方では、南部の方にしかお出ましにならない。

 かつて、琉球新報だか沖縄タイムスだか忘れたが、ミルク神が田んぼに座っているのを子供達が見つけて、「ミルクの神様だ~」とかなんとか言いながら駆け寄るTVコマーシャルがあったが、神様の割には、身近なアイドルのような存在のようだ。



もあい(模合)
 飲み会のための会費積立制度、では本当はないのだが・・・
 
 本来の模合は、沖縄や奄美地方で行われている相互扶助のためのシステムである。
 例えば、職場や地域の仲間10人が模合を結成して、月5千円づつ会費を払う。1年経つと60万円貯まる計算になるが、それを1人のメンバーが全額受け取る。

 翌年も、同じように別のメンバーが受け取る、というように順番に繰り返していくのだが、重要なのは、病気とか災害とかに遭い金を必要とするメンバーに優先して配当することで、島人同士助け合って生きていくという美しい制度なのだ。

 保険や金融が身近になり、また、過去には責任者が金を集めてバックレルなどのトラブルもあって、現在では、純模合も細々と続いてはいるが、大部分は、飲み会のためのものであるという。
 酒好きの島人達が、金を積み立ててまで飲み会をやろうというのであるから、その破壊力たるや想像を絶する。(注:個人の感想です。)
 
 なお、日本史で習った頼母子講・無尽講とは、言ってみれば本土版の模合であるが、現在は消滅している。


【ヤ行~】

やもり(ヤモリ)
 家守、沖縄ではヤールー、壁チョロともいう。
 日本中にいる爬虫類であるが、沖縄の家にいるのは、ホオグロヤモリという種類で、主に人家とその周辺を住み処としている。

 「家守」というぐらいで、虫を食べて守ってくれるいい奴なので、キモイとか言って嫌わないで欲しい。

 小さな体に似合わず、キェッキェッキェッと大きな声で鳴くが、この鳴き声を聞いて「あぁ沖縄に来たんだなぁ」としみじみ感じる人は、沖縄依存症が相当進んでいるので、注意を要する。



ゆんたく
 沖縄の方言でおしゃべりという意味であるが、沖縄旅行者用語としては、民宿などで夜な夜な行われる飲み会のことをいう。

 ゆんたくは、主に、民宿、ペンションなど小さな宿で行われるもので、大抵は、夕食後、食堂でそのまま飲み会に突入する。宿側も、泡盛を、無料か低額飲み放題で提供してくれることが多い。

 メンバーは、たまたま同じ宿に泊まった人達なので、ほとんどが初対面のはずだが、和気あいあいと飲んでいるのは、不思議と言えば不思議である。
 もちろん、自由参加であるが、酒を飲まない人も含めて参加する人の方が多い。やはり、こういう宿に泊まる人達は、そういう人達なのだろうか。

 ゆんたくは、八重山の宿で多くみられるなど南の方ほど盛んで、本島やその周辺離島の宿では、行われないことも少なくない。そうしたことから、ゆんたくの棲息地の北限は、与論島ではないかと、当ブログでは分析している。
 

よやく(予約)
 島の宿に予約の電話をすると、「はいはい。何月何日ですか。」「何泊」「何人」「お名前は」「電話番号聞いておきましょうね~」「はいはい。お持ちしています。」ガチャッ、で終わってしまい、復唱もしない。

 これで、本当にちゃんと予約出来ているのか不安になるが、実際、間違っていることは・・・少ししかない。
 


わした
 私達と言う意味の沖縄方言だが、県外で使われるときは、沖縄とほぼ同義語である。

 「わしたショップ」は、直訳すれば私たちの店であるが、沖縄物産公社が経営する、沖縄県のアンテナショップのこと。

 なお、類似語の「わったー」は、オレ達、自分達という意味にしか使われない。


【特】

ぶろぐみやこじまのいやし・やえやまのしげき(Blog宮古島の癒し・八重山の刺激)
 当ブログのことである。

 始めてから7年目、アップした記事は550本以上にのぼる。これは、管理人が単に沖縄好きというだけではなく、凝り性な性格によるものと考えられる。

 何かのテーマで文章を書き始めると、長くなる傾向がある。そのため、「暇なんだろ」と言われることが多いが、決して暇なわけではなく、ただやることがないだけである。

 いつか、沖縄の民宿などで初めて会った人から、「ブログの読者なんです~」とか言われたいと密かに願っている。

(了)






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