沖縄の天気予報は当たらないと言われます。当ブログでも、そのことを何度もネタにしてきました。
しかし、晴れ予報で雨が降ったとか、雨予報で晴れたとかいう単純な当たり外れで一喜一憂するのではなく、天気予報や各種気象データから、少しでも必要な情報が読み取れれば、沖縄での過ごし方が変わるかも知れません。
まず、今年7月に宮古島であった、リアルな天気体験です。
(図表は気象庁HP 以下同じ。)
7月中旬に発生した台風4号は、既にフィリピンの西にあったのですが、東側には、台風から切り離された巨大な雲があって沖縄の天気に悪さをしました。
その時の宮古島の週間天気予報です。
17日をピークに雨が降り、18日は信頼度Cなのでもしかしたら天気が回復し、19日からは文句なし天気回復といった感じに見えます。
その7月17日、那覇乗り継ぎで宮古空港に向かいました。
羽田を発った便は、順調に飛行していましたが、那覇空港着陸が遅れます。この時那覇空港は、大雨のため20分ほど滑走路が閉鎖されました。
那覇発宮古行きの便は、ほぼ定刻でしたが、離陸後着陸までの間シートベルト着用サインが消えなかったので、荒れた天候だったようです。
ただ、この日の宮古島は、ほぼ曇りで雨が時折パラパラと降る程度。気温は30℃くらいでしたが、この頃東京は連日の猛暑だったので、「宮古島はマジ涼しい」と思いました。
翌18日の天気予報。当日朝7時発表のものです。午前中の降水確率は50%。その後徐々に雨が上がるという予報です。
ところが、朝9時過ぎにホテルを出たら、もの凄い豪雨。道路が冠水しています。
車だったので、しばらくだらだらと時間を潰しましたが、昼過ぎにはホテルへと退散する羽目に。
その後徐々に雨量は減ったものの、夜まで降ったりやんだりが続きました。
もう一つは、台風の進路予想と、週間天気予報は連動していないということです。
明けて19日。天気予報からしても、今日からは晴れ復活のはず。
前日の分を取り戻すべく、朝早くからホテルを出発し、まずは池間島に向かいます。池間島は始めは好天で、フナクスなどで写真を撮っていたのですが、空を見上げると何やら怪しい雲が。
雲は南側から迫ってくるみたいですが、西側にあたる伊良部島は綺麗に晴れていました。急いで伊良部島を目指します。
途中スコールに見舞われましたが、伊良部大橋を渡る頃には晴天に。
下地島の17ENDの東側から池間島方面をみると、地面にくっつきそうなもの凄く低い雲が垂れ込めています。
あの雲の下は間違いなく豪雨でしょう。
「雨雲の動き」をみると、見た目のまんま。
伊良部島の渡口の浜に廻ると、晴れてはいましたが、怪しい雲が急速接近中。
慌てて伊良部大橋を渡り、トゥリバー地区まで来ると、北側は「只今絶賛大雨中」。
沖縄の方言で「片降り(かたぶい)」という言葉があります。俄雨・スコールの意味ですが、片方だけ雨が降っている、といった局所的な雨のことです。
上の写真は、片降りとはこれ!という見本みたいな状態になっていました。
ところがその時、反対側の南側を見ると晴れています。これ、同じ時に同じ場所から撮った写真ですよ。
冒頭の写真は来間島です。
その後、来間島までやって来て、北西方向を見た時のものです。来間島自体は晴れでした。
さらにこの後、宮古島の南側にあたる与那覇の宿に着いたら、「今日はいい天気でしたね」と声を掛けられました。自分的には「イヤイヤイヤイヤ・・・もう」という言葉しかありません。
この日、宮古島にいた人の2~3割は、天気予報が当たった、5割以上の人は天気予報は全く当たらなかったと感じたことでしょう。
さて、今回の天気ですが、週間天気予報との関係で言えば、2~3日荒れた天気になるという予報は、大きな流れでは当たっていたと言えるでしょう。
ただ、ピークが17日ではなく18日だったこと、19日になっても、局地的な豪雨が続いたという点では当たらなかったということになるでしょうか。
19日の天気は、目視での雲の状態と、気象庁サイトの「雨雲の動き」を見ながら、車で晴れエリアに逃げ回れる程、局所的な悪天候でした。
もし、宮古島地方は「晴れ所により雨が激しく降る」という予報だったら、正解ということになりますが、こんな予報じゃ全く役に立ちませんよね。
沖縄の天気予報が当たらないというのは、今回のように場所によって天気が違いすぎるということも、大きく関係するのでしょう。
沖縄の天気予報に関して、前々から感じていたことがあります。
一つは、天気予報が「曇」の日は、一日中曇りではなく、晴れと雨(大体豪雨)の繰り返しで、足して二で割れば「曇」みたいなことです。
これは、過去何度も経験しました。
一日曇りという天気は、梅雨の間や、台風直後にはたまにありますが、夏の沖縄ではまずありません。
下の図表は、この記事を書いている最中の台風11号のものです。
進路予想が大外れしない限り、9月1日を中心に沖縄地方は大荒れの天気となるはずですが、8月29日現在の週間予報は、沖縄本島地方、八重山地方共、「曇時々雨」。
毎度のことですが、直前にならなければ、「暴風」には変わらないようです。
これは、気象庁は役所だから縦割りで、台風部門と予報部門が連携していないというわけではなく、週間天気予報は、相当慎重に出されているからだと思われます(まあ、知らんけど。)。
その点、民間気象会社の予報は、ドライです。「晴」が次の更新時には「暴風」に変わったりします。
ちなみに、民間気象会社と気象庁の予報が違うことは、よくあります。
朝のテレビでは、気象庁の予報を使っているNHKと、民間の予報を使っている民放では、隅っこの天気マークがまったく違うこともしばしばです。
さて、これからお話することは、科学的根拠に基づくものではなく、自分の経験上、そんな気がするというレベルの話ですが、もしかしたら、参考にしていただけるかも知れないとも思っています。
あくまで、夏の沖縄に限っての話ですが。
① 沖縄の天気予報には「分からない」という予報がある。
② 週間予報が「曇」「曇時々雨」の日は、何かが起こるサインかも知れない。
③ 天気の変わり目に、予報とのずれが生じやすい。
夏の沖縄は、基本晴れです。7月・8月など、月間の日照時間は、200時間程にもなります。
台風などで全く日照がない日が何日かあるはずですが、それを差し引いてもこれだけ日照時間があるということは、普段はほとんど晴れということでしょう。
そんな中で、敢えて「曇」や「曇時々雨」の予報を出すということは、素人には分からない何らかの気流の変化を、気象庁が予測したのかも知れません。
週間予報は、信頼度がAからCまでに分けて表示されますが、「曇時々雨」で信頼度Cの場合、「本当はよく分からないけれど、予報を出さないわけにはいかないから、取り敢えず出しとくね。」という予報が含まれているのではないかと思うのです。
悪意のある言い方をすると、外れたときの影響が最も小さくなるような予報の仕方をしているのかも知れません。
当日になって、しれっ~と「晴」に変わることもあれば、突如として熱帯低気圧が発生していることもあります。
どうせ当たらないから心配してもしようがないと考えるよりも、この日の天気は、もしかしたら荒れるかも知れないから注視しておけ、というサインだと認識しておいた方がいいように思うのです。
本当は、何故その予報を出したのか、詳しくデータを示して説明してもらえればいいのですが。
「曇」「曇時々雨」予報のまま当日朝を迎えた場合は、その日は少なくとも短時間は、土砂降りの雨に見舞われる可能性が高いと考えた方がいいと思います。
この時頼りになるのは、気象庁のサイトの「雨雲の動き」です。
5分毎にレーダーによる雨雲の位置と強さが表示されます。
30分後までの予想も表示されますし、動画で過去3時間分を見ることができるので、雨雲の動く方向(すなわち風向)も分かります。
これで、雨を避けたり、時間を調整したりできるかも知れません。
こんな日は、ホテルを出るときは晴れていても、絶対に傘を持ち歩いてください。
降り出すと短時間でも土砂降りになる可能性が高いです。
傘を挿していても濡れるような雨ですが、傘がないと本当にずぶ濡れになってしまい、そのままでは、店やホテルに入るにも躊躇するような状態になってしまいます。
黒雲が近づいて来たら、車か、四阿など屋根のある場所があれば早めに非難をしてください。ポツポツ来てからでは遅いです。ヒンヤリとした空気を感じたら、数分間が勝負です。
沖縄の天気予報は当たらないと言われています。
自分自身もそう思いますし、ググってみても、そういう意見がドバッと出てきます。でも、それで島人が天気予報を全く無視しているかと言えば、そうでもなさそうなのです。
やはり、沖縄の天気予報には、独自の見方というものがあるのかも知れません。
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