2019年7月24日水曜日

宮古島で台風5号 だがしかし・・・話が違うだろぉ!




 宮古島に行ったら、台風に遭遇したという話です。

 それ、去年も読んだぞ、と言われるかも知れませんが、今回は事情が異なります。もしかしたら、以前に書いた台風関連の記事を、修正しなければならないかも知れないという事態なのです。

 つまり、

 それちょっと話が違うだぉぉぉ~!

 な、お話なのであります。




 上が、出発前の週間天気予報。このときフィリピンの東側で熱帯低気圧が発生し、台風に変わる予報でした。しかし、台風は、暴風域を伴わない弱いもので、多少の雨はともかく、航空機の運航にはまったく支障がないと思われていました。


 自分は、多良間島に行って16日・17日と泊まり、18日に宮古に戻って2泊するスケジュールでした。

 実際、多良間島に着いた16日には、「明日まで晴れだよ。いいときに来て、いいときに帰るね~。」などと言われたのですよ。



 しかし、17日の未明、風の音が凄まじくて目が覚めてしまいます。起きて天気予報をチェックすると、雨予報に変わっている。



 しかも、予約していた、18日の多良間発宮古行きの便は、早くも「運航に影響が見込まれる便」に指定されていました。

 多良間島では、自転車移動。もし、台風で閉じ込められたら、宿を出ることすら出来ない。念のため、今日中に宮古島まで戻っておこう。
 そう決心し、バタバタと便の変更やら、宿への断りやら、宮古島でのホテルとレンタカーの予約やらをこなしました。
 

 出発の頃には晴れる、というお約束のジンクスに後ろ髪を引かれつつも、多良間島を後にしました。
 実は、これは自分的には大ファインプレーだったのですが、そのときは、あくまでも念のための行動であって、多分何事もなく過ぎるんだろうなと思っていました。


 宮古島には、知り合いのYさんが、今年も来ていました。本当だったら、ちょうど行き違いのスケジュールでしたが、自分が早めに宮古島に戻ったことから、「明日お昼でも」ということに。



 ところが18日の朝、状況が一変します。全日空が突然、宮古発着便の全便の欠航を決めたのです。

 通常、台風接近時には、あらかじめ「運航に影響が見込まれる便」に指定され、手数料なしでの変更、払い戻しが可能になるのですが、今回は、予告無しの欠航だったため、18日の全日空の予約を持っていた人は狼狽です。

 一方のJTAは、18日の宮古発着便の全便を「運航に影響が見込まれる便」に指定はしていたものの、10時台までは通常ダイヤで飛ばしたのですが、そのJTAも11時台の便から欠航になってしまいました。

 小型プロペラ機で運航するRACは、多良間便を含め当然欠航です。



 この欠航には、島の人も旅慣れた観光客もビックリしました。

 何しろ、台風は暴風域を伴わない弱いもので、伊良部大橋ほか2橋も通行可能、台風に近い石垣空港でも、まだ欠航になっていない、小学校も休みになっていないのです。

 自分が多良間島から1日早く宮古島に戻ろうと思ったのも、多良間便は、小型のプロペラ機だから念のため、なのであって、ジェット機が欠航するなどとは夢にも思っていませんでした。


 しかし、昼過ぎになって猛烈な雨が地面を叩き付けます。
 なるほど、そういうことか。強風に加えこの豪雨では、航空機の離発着は無理っぽい。

 ということは、航空会社は、こういう気象状況を予測していたわけですよね。


分かってたなら教えてくれよぉぉぉ~!


 航空会社に天気予報をしてくれとは、もちろん言いません。

 ただ、「台風5号のため欠航」だけではなく、「宮古空港は、○時頃からこれこれこういう気象状況となると判断したため、欠航を決めました。」と発表してくれれば、貴重な時間を有効活用できた人も大勢いたはずです。



 下が、前日夜に発表された天気予報。降水確率は50%~70%。航空機が欠航になるような荒天になるなんて誰一人思っていなかったはず。




 実際は、降水確率120%みたいな波動砲的豪雨。この日の夕刻のレーダーでは、何処が宮古島やら石垣島やら。



 この日の宮古島の24時間雨量は、200ミリ前後とまさしく記録的。多良間島と下地島では、7月としての新記録を更新しちゃったそうです。

 これはしかし、宮古島でなければ、災害級の大雨。川や山がなく、水はけのよい隆起珊瑚の島だからこそ、この程度の騒ぎで済んだともいえます。



 ところで、知り合いのYさんですが、18日の全日空便で帰宅予定だったものの、欠航。仕事の都合で、どうしてもその日に帰りたいと、JTAの11:55発便を新たに予約するも、その前便までは飛んだのに、当該便は欠航。

 結局、JTAの予約を翌19日分に振り替えたたのですが、今度は、借りていたレンタカーの延長が出来ず、その日のホテルの予約にも手間取るなど、散々な目に遭ってしまいました。

 同じような観光客も、大勢いたことでしょう。このことで、宮古嫌いにならないように願うばかりです。




 まあ、自然相手ですから、想定外のことは起こり得ます。今回のようなことは、例外中の例外なのかも知れません。

 ですが、冒頭で、以前に書いた台風関連の記事を修正しなければならないかも知れない、と書いたのは、次のようなことが分かったからです。


① 台風なのに、事前に予測できない突然の欠航ということもある
② 航空機の欠航の際、空席待ちより、便の振り替えが主流になりつつある
③ 当日の宿の予約がとても困難になっている
④ レンタカーの時間延長が難しい


 問題は、③と④です。

 乗る予定の便が欠航したら、急遽、その日に泊まるホテルを探さなければならないし、ほとんどの人にとっては、レンタカーが無ければ移動にも困ります。


 以前は、「観光ガイドブック宮古島」で、台風時の宿泊の問い合わせを宮古空港観光案内所と指定し、電話番号も載っていた(当ブログでもそう紹介しました)のですが、今は削除されています。

 実際に、宮古空港観光案内所で尋ねたところ、宿の紹介と取り次ぎは行うが、空室情報は持っていないとのこと。

 十年くらい前に、那覇空港のコンベンションビューローで、台風時に、ホテルの一覧表に手書きで空室状況を書き込んだもののコピーをもらったことがありますが、こんなサービスはもう無くなっちゃったのでしょうか。

 レンタカーの延長については、今まで記事に書いたことは無かったのですが、今回、Yさんのほか、2人の知り合いも、延長を断られていたことが後になって分かりました。
 

 そもそも、航空機の欠航で、宮古島を出られなくなった人の数と、宮古島にやって来られなくなった人の数は、基本的に同じはず。
 ホテルもレンタカーも、大量のキャンセルが発生しているだろうに何で?




 知り合いのペンションオーナーに聞いてみたところ、「確認したわけではないが」と言う前提で、次のような話をしてくれました。

 最近の中小のホテルは、ほとんど予約サイトの提供するシステムを利用して、空室管理をしている。
 キャンセルがあっても、客 → 旅行会社 → ホテルと連絡が来るのに時間がかかるし、最終的にホテル側で入力処理するので、その作業が後回しにされると、電話が来ても予約を受けられない。
 また、状況をみて、「何室までなら空予約を受けても大丈夫」という判断が即座に出来るプロのホテルマンが少なくなったこともあるのだろう、と。

 
 レンタカーに関しては、自分が借りたレンタカー屋の、実質社長といわれているおばちゃんによれば、

 18日が全便欠航になっても、19日は朝から飛ぶかも知れないから、次の予約が入っていれば、18日中には返してもらわなければ困るからだろう。
 でも、朝イチで来るお客さんばかりではないので、調整は可能なはずなのだけれど、予約管理は別のところでやっていて、従業員に権限がないか、業者自身が新しくて、ノウハウがないのではないか、とのこと。


 結局、システム頼りで臨機応変に対応できなくなった、みたいなオチで、愕然とします。



 それはともかく、実際にそういった場面に遭遇したらどうすればいいでしょうか。

 まず、何よりも落ち着いて行動することです。

 飛行機の欠航で島に閉じ込められるということは、新たに島に入って来る人もいないということなので、ホテル全体でみれば、絶対に大量のキャンセルが出ているはずです。
 「満室」と言われても、物理的に満室なのではなく、予約に対応できないだけ、という可能性が高く、時間を置いて再度連絡すれば予約可能なこともあるので、とにかく、焦らないことです。

 ネットで探しても、高級ホテルしか空いていない、なんてこともありますが、旅行会社系の一括予約サイトでは、キャンセル分が補充されることはないので、個別に電話予約を試みた方がいいようです。


 レンタカーに関しては、何時までなら延長できるかを確認し、その間に別のレンタカー屋を探すか、
 あるいは、どのみち観光はできない天候状況であれば、若干の時間延長をしてもらって、その間にホテルを予約し、食事や必要な買い物等を済ませ、後は、レンタカーを返却しホテルまで送ってもらって、翌日はタクシーで空港に向かう手もあるので、そういった交渉も有効かと思います。

(観光ガイドブック宮古島から引用)


 しかし、焦るなといわれても、泊まるところすら決まらない状況では、やはり気持ちに余裕は持てません。
 そうでなくても、便の変更やら、仕事先への連絡やらで疲弊してしまい、一刻も早くホテルで休みたいと思うはず。


 こういった場面でこそ、行政の役割があるのではないでしょうか。
 
 宮古島市が観光立市を標榜する以上、行政や観光協会が主体となって、台風時にホテルの空室を探し出して、情報提供できるシステムを構築できないものでしょうか。

 webシステムが無理ならば、電話による人海戦術でもいいと思います。いくら宮古島が台風銀座といっても、せいぜい年数回のことでしょうから。


 宮古島では、万一の時には、観光協会が親身になってバックアップしてくれる、という評判が広まれば、観光地としての宮古島は、ステータスが上がると思うのですが、いかがなものでしょうか。
 



 今回は、話が違うだろぉぉぉ台風のおかげで、多くの人が翻弄されてしまいました。

 自分はといえば、多良間島からは無事生還できたものの、それで運を使い切ってしまったのか、宮古島滞在中は、太陽を拝むことができませんでした。
 そのおかげで、と言っていいのか分かりませんが、ちょっと意外な行事を見学できたので、それを、次回に載せようと思っています。


 宮古島空港の搭乗待合室内には、いつの間にか、巨大なスクリーンができていました。
 


(図表は、すべて気象庁のサイトから引用しました。)



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2 件のコメント:

  1. Yです。先日は大変お世話になりました。
    バタバタでしたが、ほかにいにょさんのおかげで台風でもとても楽しく過ごせました。
    宿泊で一緒だった方にも色々教えて頂き感謝デス!
    また宮古島で会いましょ~(^-^)/

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    1. わ~
      コメントありがとうございます♪
      是非また宮古で。

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