那覇泊港から粟国島に向けて出航した、フェリー粟国からの眺め。
青い海原に時折ゴミのような物が浮いています。これはなんと軽石。ここだけではなく、軽石軍団が波状攻撃で襲ってきます。
知識としては知っていた、沖縄などの軽石被害。もう収束しつつあるのかと勝手に思っていましたが、とんでもない誤解でした。
2022年4月現在でも、まだまだ気が抜けないリアルな状況をお知らせします。
変わってこちらは、今帰仁村の運天港。海は綺麗ですが、浮かんでいるのは全部軽石です。
アップにするとこんな感じです。特に大きい物はありません。ほとんどが直径2~3㎝の物です。
軽石は、昨年の8月13日から15日にかけて、小笠原の硫黄島の南方約60kmに位置する、福徳岡ノ場という海底火山が噴火し、まき散らされたものです。
その量は、約1億立方メートルにのぼり、東京ドームの容積およそ80個分に相当するのだそうですが、あまりに多すぎて実感が涌きません。
火山から沖縄までは、約1300㎞ほども離れていますが、11月頃から、徐々に軽石が南西諸島に漂着し始めます。
沖縄県の資料によれば、海のない南風原町を除けば、程度の差はあれ、南北大東島以外の、沖縄県の全ての市町村に漂着したのだとか。
南北大東島の方が小笠原には近いのですが、この二つの島は、外周がほとんど断崖なので、軽石が漂着せず通過したのでしょうか。
ちなみに、最も最後に漂着が確認されたのは、与那国島です。
本島と伊是名島を結ぶ、フェリーいぜな尚円。
出航前に、軽石の除去作業が行われていました。
船のエンジンは、海水で冷やす水冷式ですが、吸水の際に軽石を巻き込んでしまうと、エンジントラブルが発生してしまいます。
なお、本島の港を出港し、離島に向かう船については、今でも軽石の影響による欠航の可能性があるため、利用者には、出発前の確認が呼びかけられています。
一刻も早く片付けたい軽石ですが、もの凄く面倒なことに、軽石を除去するのにも、様々な規制がかかります。
河川、海岸、港湾区域であれば、各区域の管理者の許可が必要だったり、国立公園、自然公園内だったら、管理者への届出が必要になります。
さらに、保管についても、一定規模以上になると届出が必要になったりと、本当に面倒。
こちらは、伊是名島のタージ浜。東向きの海岸です。白っぽいのが普通の砂、黒っぽいのが軽石です。
取り敢えず、まとめられた状態で放置されていました。
こちらは、100㎞弱ほど西の粟国島のウーグ浜。ここにも軽石が押し寄せた跡が。
軽石は、本当に軽いのです。軽々と水に浮くのですが、そのくせ結構堅い厄介な代物です。
軽い理由は、沢山の気泡を含むからで、いずれ波の力で砕けて沈むと言われています。ただ、それが何時になるのかは分かっていません。
まさに自然の驚異。沖縄の人は、台風には慣れていても、軽石被害までは予期できなかったでしょう。
がんじがらめに規制された現代社会を、あざ笑うかのような軽石。関係者の皆様、本当にお疲れ様です。
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