2018年9月8日土曜日

芸能の島小浜島のソーラ(旧盆)のアンガマ



 アンガマは、八重山の旧盆の行事。

 中でも小浜島のアンガマは、夜通しで先祖供養や現世の健康祈願を行う、八重山でも独特な盆行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。



 お盆でグソー(あの世)から帰ってきたご先祖の霊と、一緒に”遊ぶ”のだと言われています。各家の庭先で、笛・太鼓・三線を演奏し、踊ります。

 ナカヌヒー(お盆の2日目)の北集落。夕方6時半頃から踊りが始まります。お仏壇のある家すべてを訪れ、一軒一軒で踊ります。

 北集落は、約35戸。全部廻ると、終わりは朝3時とか4時とかになるそうです。
 南集落でも、同じことが行われています。


 踊り終わると、笛の音を合図に、一斉に次のお宅に移動します。



 夜も更けて10時を過廻った頃、グソーから帰ってきたご先祖が、唄と踊りに誘われ姿を現します。



 傘を被っているのが、ご先祖の役。グソーの人なので、顔が見えないという設定です。



 ウークイ(お盆の3日目)の夜11時、グソーに帰るご先祖の霊をお送りします。
 本来これで盆行事は終わるはずですが、小浜島のアンガマにはこの続きがあります。


 ウークイの翌日の早朝、再び踊りが始まります。これは、何らかの事情で、家族に送ってもらえずあの世に帰り損ねている霊を、皆でお送りする”遊び”です。




 花笠を被っているのは男性です。差し詰め、歌舞伎の女形のような役柄でしょうか。



 一通り踊りが終わると、北集落の一行が集落の中央に向かって歩きだします。



 同じ様に南集落からもやって来ます。



 面を被っているのが、グソーに帰り損ねた霊です。唄と踊りに誘われて、姿を現し一緒に遊びだした、という設定です。

 アンガマとは、本来、この面を指す言葉だそうです。
 
 手に持っているのは、芭蕉扇と呼ばれる物。芭蕉の葉で作った団扇です。アンガマ面を被った霊達が持っている芭蕉扇だけは、青いのがお分かりでしょうか。

 唄と踊りに誘われて、急遽、芭蕉の木を切って作って持ってきた、という設定なんだそうです。




 小浜島のお盆の行事は5日ほど続きます。連日、未明まで、あるいは早朝から、演奏して、唄って、踊って、そして飲むのです。

 芸能の島と言われる小浜島。このソーラのアンガマのほか、結願祭、種子取祭の芸能が国の重要無形民俗文化財に指定されています。
 どれも、同じように何日も唄い、踊り続けます。


 もし、我々が島に住むということになれば、程度の差こそあれ、この文化に飛び込んで行くことになるのです。
 生半可な気持ちで「沖縄移住」などと口に出せない、出させない、迫力をこのアンガマに感じました。



 朝7時頃、小浜島のアンガマはクライマックスを迎えます。南北の集落境の狭い道路に、踊り手、演奏者、見物人がひしめきます。
 小浜島に、こんなに人が居たのかと思うほど。




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